第八話
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通路の先から数匹の魔物が姿を見せたのだ。
「オークが三匹か。楽勝だな」
見慣れた緑色の肌に丸々と太った身体は普通のオークの証。変異体なら赤い肌をしているはずだし、第一こんなところにいない。
オークは敵である私たちの姿を認めるとブホブホ鳴きながら近寄ってきた。
威嚇のつもりか、手にした原始的な鈍器を振り回している。
「雑魚に構っている暇なんてないのよ」
私たちの目的は例の鉱石を手に入れること。ぐずぐずしていたら他の冒険者たちに先を越されてしまう。
私は腰にかけている長剣を抜き、一息で間合いを潰してすれ違いざまに首を跳ね飛ばした。瞬速のセラフィールの異名は伊達じゃないのよ!
「ブキ!?」
「よそ見してる暇はないだろ。ハァッ!」
拳を構えたオルレアンが右ストレートを放つと、オークの顔が爆炎に包まれた。
フィンガーグローブの魔導具は指の付け根の部分に【爆】の術式が刻まれており、殴りつけた部分が爆破する効果を持つ。
拳闘爆士のオルレアン。拳闘士の間ではかなり有名だ。
「ブ、ブヒィィィィィ」
「逃がしはしないよ〜っと」
尻尾を巻いて逃げようとするオーク。しかし、突如巻き起こった風がオークを閉じ込めた。
オークにとっては文字通り死の風。風の檻に捕らわれたオークは風の刃に晒され肢体をズタズタに切り裂かれた。
「颶風のルセリアさんから逃げられるわけないし〜」
身の丈はある杖で地面をトンと突くと風が止む。後に残ったのは全身を緑色の血で塗らしたオークだけだった。
「やっと魔物が出てきたね。まあ雑魚だったけど」
「そうだな。これでなにか進展があるといいが……」
「それより先に進みましょう」
一本道を進むと再び分岐点にたどり着いた。
しかし、今度は今までのそれとは違い四つの道に分かれている。
「うわぁ、せま……」
「人一人が通れる大きさだな」
「どうしましょうか」
今度の道は腕を横に広げたくらいの大きさでとても二人並んで進める広さではない。
「別々に分かれて進むのは危険だな。ここは一つに絞っていくしかない」
「一番左でいいとして、順番はどうすんのー?」
「ふむ……セラ、私、ルセリアの順で行くか」
「そうね。それでいきましょう」
「了解ー」
いつでも戦闘できるように剣を抜きながら慎重に進む。
道を照らす不滅の松明はそれまで以上に間隔を開けているため、中はかなり薄暗い。ぼんやりと道が分かる程度だ。
私語を慎まな
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