第八話
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かいって上級コースに一直線だったからな。まあその後どうなったかなんて言わずもがなだけど。
それに比べ驕らずに堅実にいくとは関心関心。このコースなら死ぬことはまずないだろう。
「お手並み拝見といきましょうかね」
† † †
薄暗い通路の先には三つの分かれ道に繋がっていた。ぽっかりと開いた通路の隣には立て札があり、ご丁寧に各道の説明が記されている。
まさしく簡潔という言葉通り端的に分かれ道の説明を記載されていた立て札を一通り読んだ私たちは初級コースを選んだ。
というのも、このダンジョンは従来のものとは一味違うと感じたからだ。
今までに確認されたダンジョンは通路があり、トラップがあり、魔物がありといったもの。ダンジョンといえばこういうものとイメージが浮かぶくらい模範的なものが多い。
しかしこのダンジョンは今一つ全貌が見えない。というよりもダンジョンマスターの嗜好が見えない。
こういう時は初心に帰り慎重に行動するべき。
今まで通った道で魔物が現れないなんて普通は考えられないし、なによりこの立て札。
――なんなのよ☆って!
馬鹿にしているのだろうか。……絶対にしているんだろうな。
ダンジョンマスターを見つけたらその顔に一発こぶしをねじ込んでやる……!
まだ見ぬ敵に殺意と闘志を燃やしながら、初級コースを進んだ。
中は特に変わった様子はなく土壁に覆われた道が続いているだけだった。
今までと違う点といったら、迷路のように構造が入り組んでいることだろうか。
「これは、出口にたどり着くまで一苦労だな」
「気をつけて、何があるのか分からないんだから」
不滅の松明で高原が確保できているが、明るいとはとても言えない。
罠がありそうな場所――道の真ん中や壁には触れないように気を配りつつ、薄暗い道を行く。
「それにしても分かれ道多すぎだよ〜。分かれ道の後に分かれ道があるなんて、ダンジョンマスターの性格が目に浮かぶよ」
七度目の分岐点を左の通路を選ぶなり、ルセリアが小さく愚痴をこぼした。
確かに気が滅入るくらう構造が入り組んでいる。分岐点の先が分岐点に繋がっていたり、行き止まりだったりと、ちゃんと先に進めているか少し不安だ。
一応、こういう迷路のようなダンジョンのときは左の通路を選ぶと前以てみんなで決めてあるため、歩みに迷いはないけれど。
再び現れた分岐点を左に進むと、状況に変化が訪れた。
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