第1部 笑え!運命!
第1部その1:凹んでなんか居られないんじゃね?
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太は突然自分をヨイショするスティールスピリットに苦笑しそうになっった。
従順な兵士の様な性格は、戦闘においてはこの上ない『相棒』であっても日常生活においては少々むず痒い。
槍一のアイアン・ウィルの様にまでとは言わないが、多少砕けた性格でも良かったのでは無いかと啓太は思っていた。
(大げさだなお前は…俺は完璧主義者じゃ無いよ「出来る事を出来るだけ」やってるだけさ)
啓太は念話でスティールスピリットにそう答えると彼にマルチタスクによって分割した意識の中に昨日の戦闘記録を再生するよう告げた。
◆◇◆
その日の放課後。
啓太は海鳴市の山にある小さな神社になのはとユーノ、そして槍一を呼び出していた。
「話って何なのかな、啓太君?」
到着して開口一番にそう述べたなのはの表情は少々暗い。
昨日の今日であるので仕方のない事だ。
「まずはゴメン、昨日大変だったのに来れ無くて…」
啓太は最初にそう言うと二人と一匹に向かって深々と頭を下げた。
実際に彼が昨日の出来事の概要を把握したのは本日の午前中である。
二人と一匹が何も言って来なかったというのも有るのだが、それにしても異常の有無の確認等のように出来る事は色々有った筈である。
それを怠ったのは自分であるので、少なからず自分にも否があると思っての事だった。
「そんな…啓太君は何も悪くないよ」
「そうだよ、ケータは一番遠くに居たんだから仕方ない」
謝罪をする啓太を見てなのはとユーノが慌てて口を開く。
「それに謝るのは僕の方だ、結界を解いてからすぐにでも連絡すべきだったのに忘れていたなんて…」
「そうだよ、私達も啓太君に何も言わなかったんだもん、悪いのは私達の方だよ」
「…分かった、ここはお互い様って事でいいかな」
「うん、私達お友達でしょ」
啓太が苦笑いしながら言うと、なのはは満面の笑みを浮かべてそう答えた。
ひとまず彼女の暗い表情を崩す事に成功したので良しとしよう。
啓太はそう思い、続けて槍一の方に視線を向けた。
槍一は相変わらず廃人だった。
濁った瞳を何処か遠くへ向け、時折ブツブツと呟いている姿は今朝見た彼の姿そのままである。
むしろ悪化したようで、当初「……ああ」だった彼の台詞は今では「ヴァー」になっている。
一体何処のゾンビだろうかと啓太は思った。
「…大丈夫なの槍一君?」
「分からん」
「って言うか槍一君に何があったの?」
「あ、ああ…えーっと何て言えばいいのかな…な、スクラっち?」
「ぼ…僕に振らないでよ」
とてもじゃ無いが「昨日戦った魔導師の女の子の胸を掴んでしまった罪悪感に打ちひしがれている」などと
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