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ソードアート・オンライン〜紅き剣聖〜
一部 浮遊城アインクラッド編
《笑う棺桶》、運命の刻  
千の手
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sideソウスケ


夢を見た。

SAO に囚われる半年前─
俺は一人の女の子と約束をした。
「ずっと守る」と、
彼女とは小さい頃から一緒にいた、いわゆる幼なじみで陽菜とは親友だった。
外の世界から母親を守っていた。
俺はよく彼女の家に遊びに行っていた。
昔の俺はただの元気少年だった。
小学五年生の二学期に入ってすぐの、ある土曜日の午後、事件は起きた。
俺は偶然その郵便局に通りかかった。
その時俺は剣道の練習の帰りで袴姿だったが彼女に見せてやろうと郵便局の中にいた彼女の肩を叩く。
「やっほー! お母さんの付き添い?」
彼女はビクリと肩を震わせこちらを見た。
「………驚かせないでよ、蒼介」
「ごめん、──の姿が見えたからつい………」
俺達がその男に気がついたのは、男が彼女の母親を突き飛ばした音だった。
カウンターにボストンバッグが置かれ、黒い拳銃を取り出し、男性局員に突きつけた。
そこからの記憶はあまり確かではない。
覚えているのは、動けなかった自分、彼女が男を撃ち殺すのを見ている事しか出来なかった自分。
俺はそんな自分に腹が立ち、力を渇望した。
風魔の技を一年でマスターして、強くなるためなら何でもした。
小学校では、彼女を殺人者呼ばわりする奴らを片っ端から殴り続けた。
中学に上がり、俺は彼女にこう告げた。

「俺が君を守る、何も出来ないかもしれない、救いにはならないかもしれない、でも守る、盾になる、ただ見ているだけは嫌だから!」
「別に私は………」
「あーもう! 俺が言いたいのは──────」














目を覚ます。
懐かしく恥ずかしい夢を見た。
「俺が言いたいのは、ただ好きなんだ!…………か、我ながら直球だな」
あのあと苦し紛れの言い訳をしてしまったり、大変だった。
「怒ってるだろうな……………」
結局成立した守ります宣言を半年ですっぽかしたし。
「さてと! 会議に行きますか………!」







**移動中**





攻略会議は思ったより短くすんだ。
ギルドとしては今日の内に倒しておきたいらしく、三時間後に再集合する。
さっそく時間を潰そうと迷宮区近くの圏内村の木陰で昼寝をしていた。
「………ソウスケ君、寝てるの?」
そんな声と共にサキがやって来たらしい。
「……………………………」
面倒くさいので無視する。
「本当に寝ちゃったの? ふふっ、ソウスケ君の寝顔って起きてる時と違って気の抜けた子どもみたいな顔してる!」
ここから先の記憶はサキに起こされるまで全くない。
「ソウスケ君、そろそろ起きないと間に合わないよー!」
「………ん……………」
「起きた?」
サキは俺を見て微笑む。
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