番外中編
蒼空のキセキ3
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近しつつあるだろう大鷲に狙いを定めて槍を構える。
槍はソードスキルの黄金色の輝きを放って、その周囲に風を撒くようなエフェクトを生み出す。
瞬間、減速する世界。
私との交錯の直前の、シドの跳躍。
肩越しに私を飛び超える黒い影。
その後ろの両翼を広げたモンスターの影が見えた瞬間に、両手の槍を全力で突き出す。
両手槍突進系ソードスキル、《グランストライク》。
繰り出した黄金に輝く槍は、敵の眉間をドストライクに、
「にゅおっ!?」
入らなかった。……ちこっとズレた。
クリティカルポイントを僅かにずらした……というか、シドを追っかけたせいで、ちょっと相手が上に動いちゃった。あちゃあ、急所を外したせいで削りきれんかった。それでも両手持ちの巨大槍はさすがの威力で敵のHPの大半は吹き飛ばせたが、……残っちゃった。てへ。
「っ、おいコラ!?」
「ういういっ、おっけーよっ! ノープロブレムっ!」
弾かれた大鷲が再び旋回、今度は私に狙いを定めて、上方からの急降下。
これでは硬直が解けても今度は両手槍では迎え撃つのは難しい。
じゃあ、どうするか?
答えは簡単。
「次はこっちっ!!!」
武器を替えればいい。
硬直が解けると同時に再び右手を奔らせて、ストレージ操作。
左手に現れるのは、片手剣。
一歩跳び退って、縦切りの単発ソードスキル、《バーチカル》。
羽に当たった剣はHPをさらに削る。よし、あと一歩。
バランスを崩して減速した、しかし剣技は届かない高度に逃れていく大鷲。
だが、逃がさない。
「ふふっ、あまいよんっ!」
左手の剣をストレージにしまうと同時に右手に出現するのは、今朝できたてほやほやのリズ特製の投擲槍。目いっぱい振りかぶったそれが薄紫のエフェクトフラッシュを放ち、直後引き絞った屋の様に一直線に空を裂いて目標を貫く。
「うんっ、今日も絶好調!」
にこやかにブイサインを一発。だったけど。
「ってだれも見てないじゃんっ!!!」
「たりめーだ、片付いたらこっち手伝えっ!」
それはちょっとばかし不発だったようだ。
◆
ソラが一体を速やかに殲滅したとき、右翼は同型の大鷲三体の襲撃を受けていた。
前線を支えるのは、《冒険合奏団》のメインタンクたる、ファー。
「っりゃあっ!!!」
襲い掛かった異形の大鷲達……《Great Eagle》の嘴での突進を、ファーの左手の盾が真正面から受け止める。その体でなぜ飛べると問い詰めたくなるほどの巨体の重量に、滑空の勢いのたっぷりとのった一撃が、ファーの大柄な体が押し負けてずるずると後退する。
が、舐め
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