第十二章
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をボールに合わせる。
時が止まったように感じられた。ボールはゆっくりと水沼のミットに入った。
「ゲッ!」
それを見た藤瀬は思わず叫んだ。何とバントが失敗したのだ。
こうなれば彼は袋の鼠である。既に三塁ベースには吹石がいる。
水沼が迫る。そして藤瀬はそこで殺された。
「しもうた・・・・・・」
一瞬、そうほんの一瞬であった。走り出すのが早かった為に彼は見抜かれた。そして失敗した。
「わしのせいや・・・・・・」
ベンチに戻りながらそう呟いた。
同じくそう呟いた者がいた。バッターボックスにいる石渡である。
彼はバントには自信があった。だからこそ成功させねばならなかった。だが失敗に終わった。
西本は戻って来た藤瀬に対してあえて何も言わなかった。今言ってもかえって彼の心を傷付けるだけだとわかっていたのである。
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