第十一章
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みを託した足立光宏が力尽きて敗れた。その時事前にセカンドを守り阪急の主砲であり知恵袋であったスペンサーが彼の降板を進言していたにも関わらず足立の言葉を信じ投げさせたうえでだ。
スペンサーは降板する足立に握手を求めた。その時スペンサーは心の中で言った。
「足立、確かに君はよくやった」
しかしそのあとでこう思った。
「だが一人では勝てないのだ」
だが西本は後悔はしなかった。足立もスペンサーも素晴らしいプレイを見せてくれた。そのうえで負けたのならば西本に悔いはなかった。
山田久志が王に逆転サヨナラスリーランを浴び敗れ去ったことがあった。マウンドに崩れ落ちる山田。西本はそんな彼を一人迎えに行った。
確かに余所行きの野球だったかも知れない。しかしそれ以上に西本はその心を見せた。そして多くの者の心をとらえたのであった。後に阪急のトップバッター福本豊は広島とのシリーズを制し日本一になった時にこう言った。
「巨人や!巨人に勝って藤井寺のお爺ちゃん喜ばしたるんや!」
それは阪急ナインの総意であった。最早敵将であっても西本は多くの選手に慕われていたのだ。
阪急はその翌年巨人を死闘の末に倒す。その時阪急の将上田利治は言った。
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