八幕 Sister Paranoia
3幕
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シアのおば…首、相も、式に来るの?」
「はい。両国代表同士の調印式ですから」
「――だめ」
フェイは思わずガイアスに取り縋った。
「王様、だめ。おばちゃんがキズつくのはダメ。どうしよう、フェイ、どうしたらいい? おばちゃんが、おばちゃんが」
「分かっている。落ち着け」
大声で怒鳴ったわけでもないのに、フェイはすとんとガイアスの言うことを聞く気になった。
「事を大きくするわけにはいかない。じきにアルヴィンたちが戻る。そうなれば我々だけでアルクノアを抑える。お前はローエンと待機しろ。お前の〈力〉は、俺とお前の立場上使えん」
〈妖精〉は誰も愛してはいけない。誰にも味方してはいけない。愛された者は世界の命運を握ったも同然。相手の心次第では莫大な犠牲が出る――いつか研究員に聞かされたことを思い出す。
ガイアスはリーゼ・マクシア、外国の王。そしてフェイは〈妖精〉だ。
「フェイにできること、ないの?」
「今はない。あるとしたら、マルシア首相の無事を祈って、信じて待つことだ」
「祈る? 何に? 祈ったって、信じたって、精霊は叶えてくれない。そんなふうに思うフェイたちを視えないとこで嗤ってるだけ。それとも、信じてたら王様がおばちゃん、助けてくれるの? くれないでしょう。なのに信じろなんて、祈ってろなんて、言わないでよ」
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