低速の世界
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幼き頃から祈ってきた、たった1つの祈り。
迫り来る攻撃を前に、レーサーはそれを思い出し――――
「ぐあぁぁああああああああああっ!」
そこに氷と水の攻撃が炸裂し、レーサーは大きく吹き飛ばされ・・・そのまま倒れたのだった。
「やったな、リオン」
「こんなのがまだ5人もいるのか・・・」
「こりゃ連合軍が早々に全滅する訳だわ」
「もォ・・・本当に仲間割れしたかと思いましたわ」
グレイとティア、倒れていたシェリーはリオンの下に集っていた。
魔力の使い過ぎからかグレイは時折よろける。
「さすがオレの兄弟子だ」
「・・・ま、今だけは幼馴染だと認めてやってもいいわ」
「フン」
グレイとリオンは笑みを浮かべながら小さく溜息をつき、ティアは視線を逸らして耳に髪をかける。
「立てるか」
「バカにするな」
「ほら、さっさとなさい」
こうして何とか六魔将軍の1人、レーサーを倒す事に成功した―――
「まだだーーーーーーーー!」
――――――と、終われない。
倒したはずのレーサーが、全身傷だらけで口から血を吐きながら起き上がったのだ。
「六魔将軍の名にかけて!ただの敗北は許されねぇ!」
狂ったように叫びながら、レーサーは上着のジッパーを開ける。
そこには、掌に乗りそうな大きさの四角い容器が沢山装備されていた。
「爆弾の魔水晶!?まさか・・・」
シェリーが目を見開く。
レーサーが向かう先にいるのは―――――――
「しまっ・・・」
魔力の消費のせいでガクッと倒れ込みかけた、グレイ。
「危ないっ!」
「ティア!?」
叫ぶように一言言い放ち、ティアは一瞬グレイとレーサーを交互に目で追うと、グレイの前に立ち塞がった。
「一人一殺!」
割れたサングラスのフレームから覗く見開かれた目が真っ直ぐにグレイの前に立つティアを見つめ、その表情が狂ったような笑みへと変わる。
ティアが覚悟を決めた、その時―――――――――
ドン、と。
何かを突き飛ばすような音がした。
「!」
ティアの青い目が見開かれる。
レーサーは、後ろへと押し飛ばされていった。
ルーのように誰かが風を操った訳ではない。
誰かがレーサーを押したのだ。
―――――――リオンが、押し飛ばしたのだ。
「リオン!」
「リオン様!」
その行動を見たグレイとシェリーの驚愕の声が響く。
「・・・リオン?」
レーサーを押す
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