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魔法科高校の神童生
Episode22:蠢き
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犯していない。
時間を見ると八時少し前くらい。以外と時間かかったなー、とか思いつつ手を洗う。母さんが帰ってきてしばらく料理してなかったから腕が鈍ったのかな。

「それは置いといて、そろそろ雫を起こしに行こう………え、俺が?」

そうだった、今この家には俺と雫の二人しかいなかったんだ…。

「凄い抵抗があるけど、仕方ないもんね、俺は悪くないもんね!」

女の子が寝てる部屋に入るなどという罪深い行為を仕方ないで無理矢理納得させ、俺は二階へと上がった。




「……なんだこの扉の威圧感は」

いつも見慣れているはずの姉の部屋を前に、隼人は思わず尻込みをしていた。それもそうだろう、この扉の奥で寝ているのは、親しいとは言っても知り合ってまだ一ヶ月くらいしか経っていない女の子。恥ずかしがるのは、健全な男子高校生としては普通のことだった。

「はー…まあ、ここで悩んでても仕方ないし……色々仕方ないよねっ」

自分に暗示をかけるように仕方ないと繰り返し、隼人は意を決して扉を静かに開いた。

「雫ー、起きてー…」

開いて、半身だけ部屋に入れて雫を呼び起こそうとする。だが、相当熟睡しているのだろうか、雫が起きる気配はまるでない。

「うぅ…あー、もういいや!」

雫の穏やかな寝顔を見て、隼人は吹っ切れたように部屋に入り込んだ。そのまま回転椅子をベッドの近くに持ってきて腰を下ろす。

「雫ー、起きてー、朝だよー!」

こちら側に背を向けて寝息をたてる雫の肩を揺する。それでも、起きない。

「しーずーくー、起きてよー」

今度はもう少し強く揺すってみる。すると、雫は僅かに身じろぎした後、ゴロン、とこちらに寝返りをうった。

「っ!」

気持ち良さそうに眠る雫のあどけない寝顔を間近で見て、隼人の顔がみるみる赤く染まった。
学校でならば逆に女子を赤面させることが多い隼人はよく女性の扱いに慣れていると思われがちだが、実際はとてもシャイボーイなのである。

「う……仕方ない、もう少し寝かせておこう」

結局、雫の寝顔をまともに見れなくなった隼人は一人で朝食をとることにしたのだった。




























薄暗く、生活感のまったくない部屋。隼人によって昏倒させられていた緑川佐奈は、その見慣れた空間で目を覚ました。
意識がハッキリとしない内にも、彼女は自分の身になにがあったのかを思い出す。あの、迫り来る氷剣の恐怖を。
寒気を感じて、佐奈は自らの体を守るようにかき抱いた。
九十九隼人の戦闘能力は、彼女が予想していた程度を軽く上回っていた。砂鉄操作が破られたとしても、圧力操作と合わせれば負けることはないと思っ
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