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魔法科高校の神童生
Episode22:蠢き
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な?郊外に連れ去られた二人は、雫は建物の中に捕らえられて、ほのかは外に置き去りにされた。そしてほのかは、自分の端末で俺に助けを求めたんだ」

そこまで言って、俺はテーブルに置かれたホットミルクティーに口をつけた。うえ、予想外に熱い。軽く舌火傷した。

「それで、そのメールに気づいた俺は現場に急行。ほのかを安全そうな場所に隠して、四階建てのビルに侵入。敵は、恐らく十字の道化師(クロスズ・ピエロ)と、俺が壊滅させたブランシュの補助部隊の生き残りの小隊だったよ。対人ライフルで武装してたけど、そうでもなかったかな。雫がいたのは屋上で、敵は五人。順調に倒したけど、そこで十字の道化師のヘリが到着して、逃げられた」

あの時の悔しさが滲んできて、テーブルの上に置いていた両手を強く握る。もう一口ミルクティーを飲んで、俺は続けた。

「ヘリで逃げられて、下に行ったらほのかまで攫われてた。完全に嵌められてたようだね。脚を怪我してた俺は取り敢えず、沙織さんの店が近かったから情報を貰いに行ったんだ」

「ああ、急にアイツから連絡が来たときはビックリしたよ。久しぶりだったからな」

懐かしそうに話す父さんに、俺は笑みを浮かべた。
父さんと母さんと沙織さん。この三人はどうやら軍に所属していたときチームを組んでいたようだ。父さんと母さんが現役を引退したのと同時に、沙織さんも軍を辞めたと聞いたことがある。

「沙織さんに十字の道化師のアジトの場所を聞いた俺は電動二輪を借りて現場に向かった。で、そこで俺は二人の友人に会ったんだ。多分、十字の道化師の誰かがほのかの端末を操作して二人を呼んだんだろうね」

「友人って?」

「名前は、司波達也と司波深雪。どちらも、魔法科高校の一年生で共通の友人だ」

「…その二人は無事だったのかい?」

「無事も無事。二人とも無傷だったよ」

呆れたように両手を上げて言うと、父さんと母さんは揃って獰猛な笑みを浮かべた。うわ怖い。これ見たら流石の達也のポーカーフェイスも崩れるんじゃないかな。

「隼人にここまで言わしめるなんて、相当な魔法師なのね、その二人は」

「将来有望だなぁ」

ここで達也は二科生だよ、と言ったら更に怖いものを見そうな気がしたから、言うのはやめておこう。

「それで、俺たちは協力してアジトを潰すことにしたんだ。俺の眼で見た時は雫とほのかが囚われていたのは二階の最奥の部屋だったから、俺が屋上からヘリごと天井を破壊して奇襲。その騒ぎに乗じて二人が一階から侵入。順々に制圧して、俺が先に部屋に乗り込んだんだけど、そこにはほのかの姿しかなかった。雫とこの事件の黒幕を追って地下施設に潜入したんだ」

「…地下施設、ということはなにかの研究所だったのか?」

僅かに表情が曇っている
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