8『竜使いの少女』
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ンが四十七層にあってな。そこのてっぺんに咲く花が、使い魔蘇生アイテムらしい。最近分かった話で、まだあんまり知られてないんだよな……使い魔をなくしたプレイヤー本人が行かないと肝心の花が咲かないって言うのもあるんだろうけど。あのダンジョン一回行ったことあるんだけどさ。地味なんだよな……」
銀髪の男が言う。
「四十七層……」
その言葉を聞いて、希望の光がまた雲に隠れてしまう気がした。SAOでは、基本的に安全マージンはその層の数字+10、最前線では15以上が普通だ。シリカの今のレベルは44なので、最低でも55レベルほどにならなければいけない。
「情報だけいただけただけでありがたいです。強くなって、いつかきっと……」
「いや、それがな……使い魔が死んでから三日以上たつと、心アイテムが《形見》アイテムに変化して、蘇生ができなくなるらしい……と、ここに書いてある」
「そんな!」
レベル55になるためには、あと11レベル上げなくてはならない。三日、実際の攻略も考えると二日でこのレベルまで達するのは不可能に近い。
再び悲しみと絶望がこみあげてくる。悔しさに涙があふれる。
「……君は、その装備から見ると主武装は《短剣》、か?」
「え……あ、はい」
シリカが答えると、男はう〜ん、としばらく唸って、
「これから見ることを誰にも言わないって約束してくれ」
アイテムウィンドウを開き、いくつかの金属素材を取り出す。どれもが一見してわかる高級品だ。が……
「あの……それ、どうするんですか?」
「良いから、見ていて」
男はそれらを手に持つと、流れるような口調で呟いた。
「《等価交換:短剣》、《等価交換:軽鎧》、《等価交換:アクセサリ》、《等価交換》……」
すると、いったいどうしたことか。インゴットたちが白銀の輝きと共に、それぞれ武器や鎧に姿を変え始めたではないか。アイテムが全て完成すると、男はそのうち短剣と鎧に、さらに新たなインゴットを加えていく。
「よし……これでいいか」
「あの……今のは?」
アイテムを別のアイテムに変えるなんて、聞いたことがないスキルだった。そんなものが、このアインクラッドにあったのだろうか……。
「ああ……《錬金術》って言ってな。まぁ、ユニークスキルみたいなもんなんだが……」
「へぇぇっ!」
素直に驚きの声を上げてしまう。ユニークスキルは、現在世界に持ち主が一
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