番外中編
蒼空のキセキ2
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私お転婆っ!?」
「ええそうよ、おしとやかとかつつましいとか、どっかに忘れてきたんでしょ、きっと」
嫌味なく楽しげに笑って、心からそう思っているように言う。
その言葉に、私も嬉しくなって一緒に笑う。
「うむっ、『おてんば』っ! じょーとーですよっ、おてんば娘バンザイですよっ!」
「あっ、開き直ったわねー。まあいいわ。ほら、注文分よ」
「おおっ! ありがとーっ、リズっ! うんっ、いつもながら完璧っ!」
二人で笑いあいながらの、いつものストレージ交換。
これもだいたい毎回朝の恒例行事になってしまっている。まったく、リズさまさまだ。
受け取った一本一本手作りの投擲槍は、毎度ながら手によく馴染む。実際のステータスよりもずっと頼りになるように思えるその感触を確かめて、もう一度リズに感謝。いつもほんとうにありがとうね、すごくすっごく感謝してるよ、リズ。
そして、今日の冒険に思いを馳せる。
「ほらっ、いってらっしゃい。どうせみんなあんた待ちでしょ」
「うんっ、じゃあ行ってくるねっ!」
「んじゃあ帰ってくるまでに、ちょっとはそのカレとの関係を進めときなさいよー。ジョシコーセーにとって人のコイバナが最高の話題なんだからねー。これが今回の特別料金よ」
「うんっ、まっかせてっ! お転婆姫の力を見せつけてやんよっ!」
そう、みんなが待っている。
そして今日も、私は私らしく、全身全霊でアタックし続けるのだ。
それが、私の今で。
それが、私の幸せだから。
リズの作業場を飛び出して、空を見上げる。
朝の光はもう十分に青く輝いていて、雲は白く煌めいている。
今日の冒険もまた、最高の天気になりそうだった。
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