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魔法少女リリカルなのは 〜黒衣の魔導剣士〜
As 01 「不吉な予感」
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って?」

 テスタロッサが恐る恐る聞いてきたことによって、ことの重大さをいまさらながら認識した。シュテルがうちにいることは、周囲には言っていない。はやてには存在を知られているが、あまり興味がないのか、俺が話そうとしないからか聞いてきていない。
 テスタロッサに知られると、自然と高町にも伝わってしまうかもしれない。そうなったら……考えるまでもなく彼女は興味を持って会ってみたいと言いそうだ。
 でも待てよ。ここで変に誤魔化したほうが興味をそそることになるんじゃないか。テスタロッサも魔法世界から地球に来ているわけだから、誤魔化さずに言った方がいいのでは。

「あぁ……まあ簡単に言えば、仕事の関係でうちで寝泊りしてる人の名前」
「そうなんだ……」
「話したいなら持ってていいよ。リードは俺が持ってるから」
「え……えっと」
「あたしはどっちでもいいよ。それよりも話してばかりいないで散歩しようよ」

 アルフの了承も得たテスタロッサは、俺からファラを受け取った。代わりに俺はリールを受け取る。ファラに一瞬睨らまれたものの、人と話そうと頑張っていると解釈してくれたのか反抗したりはしなかった。
 性別が同じということもあって話しやすいのか、テスタロッサはファラと問題なく話せている。彼女が穏やかに話しているからか、ファラの受け答えも柔らかい。
 ファラが嫌な素振りを見せていたのは、前に敵対しそうになったのが原因かもしれないな。今行われている会話を見ている限り、もしかしたらシュテルとよりも仲が良いんじゃないだろうか。
 そんなことを考えていると、少し先を歩いていたアルフが隣に来た。こちらを見ていると分かった俺は、視線を落として彼女を見る。

「あんたも少しは成長してるんだね」
「何が?」
「前より人と話すようになってるじゃんってこと」
「前もこれくらいは話してたと思うけど?」
「うーん……言われてみるとそうかも」
「おいおい……」

 見た目や声だけでなく知能にも変化があるのか、と疑問を抱きながらもアルフに返事を返そうとした瞬間、ふと視線を前に向けると結界のようなものが見えた。
 テスタロッサも気が付いたようで、ほぼ同時に互いの顔を見た。先ほどまでと打って変わって、凛とした雰囲気が彼女から出ている。

「私はアルフと一緒に現場に向かう。ショウは?」
「俺も行く」

 と、即答。
 俺とテスタロッサは互いのデバイスを手に取って起動する。黒衣に姿を変えた俺達は、全速で現場へと移動を開始した。

「……胸騒ぎがする。……いったい、何が起こってるんだ」



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