As 01 「不吉な予感」
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ルシード事件終了直前に一度だけしたことはあるが、それ以降はしていないはずだ。
何で魔法の練習くらいで女子ふたりに懇願される、のような状況になっているのだろう。俺と一緒にやるメリットなんて特にないと思うのだが。
「……分かったよ」
「ほんと!? やったねフェイトちゃん」
「うん」
「ただし」
喜んでいたふたりの顔が一変し、視線を俺のほうへと戻す。
「やるにしても夜にしてほしい。普段練習している時間帯もそうだから」
「夜……」
「分かってると思うけど、真夜中とかじゃないから。まあそのとき寝むたいなら寝たらいいよ」
「む……何でいじわるなこと言うかな」
「いや、いじわるとかじゃなくて。君の生活習慣からして眠たくなっててもおかしくないだろ。無理することはないって意味で言ってるだけで」
はやてやシュテルとしかあまり会話しないから、言葉が足りないまま話してしまっていることに気づく。いじわるをしているつもりはなかったが、俺が気が付いていないだけでいじわるをしているようなことを言っていたかもしれない。
「なのは。生活を急に変えるのはきついから、ショウの言うように無理してまでしちゃダメだと思う」
「フェイトちゃん……うん、そうだね」
これで一段落したか、と思った矢先、テスタロッサが話せる距離にいるにも関わらず、念話で話しかけてきた。なぜ念話なのかと疑問を抱きつつも、彼女に返事を返す。
〔何?〕
〔その……ショウって夜、時間あるんだよね?〕
この質問の意図はなんだろうか。流れから考えれば魔法に関することだと思うのだが、それだと念話で話す理由が見当たらない。テスタロッサの性格を考えても、高町を仲間はずれにする性格ではないのだから。
〔ああ〕
〔あのね……私、夜にアルフの散歩をするつもりなんだ。だから……その〕
続く言葉はおそらく一緒に散歩しないか、といった感じだろう。
何で散歩に誘うのだろうと考えた結果、テスタロッサがゆっくり話す時間を作ろうとしているのではないか、という答えが出てきた。
俺とテスタロッサは、お互い積極的に話しかけるタイプじゃない。会話をするにしても、ゆっくりと話せる時間が必要だろう。一度はちゃんと話しておいた方がいいのは確かだから、ここは彼女の提案を受け入れることにしよう。
シュテルに何か言われそうな気もするが、ランニングをしてくると言えば大丈夫だろう。俺が夜にトレーニングをしているのは彼女も知っているのだから。
〔一緒に……〕
〔いいよ〕
〔え……ほんと?〕
〔ああ〕
〔じゃ、じゃあ待ち合わせ場所と時間は……〕
〔そっちに任せるよ〕
〔うん。じゃああとで連絡するね〕
念話での会話はそこで終わり、テスタロッサは高町との会話に集中する
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