第六話 三年後。
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ないことを気にしているようだの。話を変えるか。
「シカク、稲荷神社の方はどうであった?」
「はっ、やはり、情報は流れていたようです。スパイの話では、今や岩隠れの忍の間で噂されておるそうです。うちはや日向などと同じようにです。」
・・・考えがたい、ふしみ一族は里でも知ってる人間は多くないというのに。
「漏れた、若しくは岩隠れに情報を獲られたとは考えられないか?」
そちらであってほしいと思ってしまう。
だが、淡い希望は裏切られる。
「可能性は低いでしょう。何よりも襲撃のタイミングが不審過ぎます。たまたま、あの日だったとは考えにくい。」
そして、わしの希望を突き崩すように話は続く。
「さらには、稲荷神社への襲撃者が一人だけであったと報告がありました。特殊なチャクラを扱う一族への襲撃で一人だけを向かわせるなど考えられません。やはり、事情を知っていたとしか・・・」
わしは何も言わずに目をつむる。
シカクも何も言わない。
考えたくはない、身内に、しかも稲荷神社の秘密を知るのは数少ない実力者、そのうちに情報を流したものがいる。
何のために?
やはり、あれか・・・
「シカク、理由は考えられるか?」
シカクが目を細める。
「三代目が考えておられる通りでしょうな。九尾の封印式での件が原因かと。」
やはりか。
九尾封印式事件・・・九尾を入れ換える際に起こったあの事件。あの事件では、多くの者が死んだ。あれで恨みを持っている者も少なくはないかもしれない。
里の実力者達はあの場に居た者も多く、その関係者の被害もより多い。
他の者はただ、九尾の封印式が失敗したとしか知らぬが、あの場にいた里の実力者達は真相を知っておるからの。
ただ、あれで痛みを被ったのはふしみ一族とて同じなのだが、理解できぬ者もいるのであろう。
「わかった。とりあえず、調べを続けてくれ。あと、うずまき一族にも一応探りを入れてほしい。」
「!?渦隠れも、ということですか?」
「いや、うずまき一族のじゃ。あの場にうずまき一族もおったからの。我々と縁深く、結び付きも強いうずまき一族じゃが、調べねばならんだろう。わしはミト様に探りを入れてみよう。」
「わかりました。」
すっと気配が消え、この場からシカクが去ったことが感じ取れる。
悲しい・・・
いや、虚しいのかもしれないな。
初代様が望んだ木の葉の里は、皆が愛し合い、笑い合う、誰もが幸せになれる里だ。
それが今や戦争は繰り返され、身内同士で恨み合うような事が起きておる。
初代様が見たら、泣かれるに違いない。
もっと、精進せねばならんな。
そう、強く思う。
「さっ、仕事に戻るかの。」
そう言いながら執務室に戻る階段を目指して歩
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