番外6話『航路にて』
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だな」
ただ寝ているだけだというのにナミの呼吸は乱れ、顔も真っ赤。話を聞く限り熱も40度を超えているという。
「……」
なんとなく目についたナミの額にのってあるタオルを外して、側においてあって水たらいにつけて、軽く絞ってまたナミの額におく。
俺にできることはこれぐらいで、ただそれだけ。
何かを意識するわけでもなく、布団からずれそうになっていたナミの手を握り、そっと俺の額に。
「……大丈夫だからな」
握りしめて、でもこういうのもあまりよくない気がして布団の中へとナミの手を潜らせ、自分の手だけをそこから引き抜く。
ここに来たはいいけど、はっきり言って今の自分には出来ることがない。名残惜しい気もするけど、そろそろサンジのところに戻ろう。そう思って立ち上が――
「――もういいの、ハントさん?」
「っお!?」
驚きすぎて変な声が出た。
振り返るとビビが体を起こしていた。
「……いつから起きてたんだ?」
「ハントさんがナミさんの手を握ったところくらいから」
――ちょうど恥ずかしい場面からかよ!
大声を出すわけにもいかないので内心で叫ぶだけにしておく。今室内に明かりがないから表情はばれても顔色まではばれないからまだいいけど、普段なら絶対顔が赤いとかでからかわれてる。
「ハントさん今顔赤いでしょ」
エスパーですか?
「……そ、そんなことねぇし」
「ふふ」
なんか笑われた。
「サンジさんに言われて?」
「そうなんだけど……本当にナミが俺の名前を?」
サンジに言われたときは舞い上がってて違和感なかったけど、うわごととはいえナミが誰かの名前を呼ぶなんてあるんだろうか。いや、ないこともないんだろうけど家族として俺の名前を呼ぶなら普通はベルメールさんとかノジコの名前を呼ぶんじゃないだろうか?
「……んー」
で、なぜそこで首をひねる?
あれか! 本当はサンジの嘘だったとかいうドッキリか!
……いや、でもだとしたらわざわざサンジが嘘をついてまで俺と見張りを交代してくれた意味がわからない。
「……」
あ、なんかものすごく気になってきた。
ずっとナミにつきっきりなんだからむしろサンジより詳しいね? 絶対何か知ってるよね! 明らかに今小悪魔的な笑顔浮かべたよね!? もうとりあえず本当のことを教えてくれたらいいから、とにかく教えてくれない!?
普段なら全力で言えるんだけど、もちろんこれも吐き出してしまえば大声になって出してしまいそうなので内心で我慢。
「ハントさん」
「ん?」
「大丈夫?」
「いや、俺は医者じゃないからなんともいえないけど……どう見ても大丈夫じゃないんじゃないか?」
なにせ
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