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もしもこんなチート能力を手に入れたら・・・多分後悔するんじゃね?
9,5話 ザ・チンピラーズ
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な、テヅカ・・・」
その屍の中からよろよろと立ちあがった二人は、タバコ代わりにガムを噛みながら空を見上げた。午後2時の日差しは余すことなく地上に降り注ぎ、この前まで先の見えない影の世界にいた2人は意味もなく黄昏る。
ガムを包み紙に吐きだし、持参のごみ入れに放り込んだテヅカはふと自分の人生を振り返った。
裏にいた頃は今よりは収入があった。代わりにずっと一人きりで、自由も仁義もあってないような世界を延々とうろつく碌でもない人生だった。そこから自分たちを救い上げたのは、間違いなくあの少年なのだ。だから毎度毎度こんな目に遭おうとも、彼らは次の禁煙活動に必ず参加する。
それはある種のけじめであり、崇拝であり、そして―――
「おじさんたち」
「ん?・・・あ、お久しぶりです天使様!」
「今回も活動ご苦労様です!」
ビシっ!と斜め45度の礼を見せるいい大人二人。大人としての誇りも天使様の前では埃同然に吹き飛ばされている。二人の様子を見た天使様は少し近くに寄り、くんくんと二人の体臭を嗅いだ後にポケットから飴玉を2つ取り出した。
一瞬何が起こっているのか理解できずポカンとするが、天使様はどことなくご満悦な表情である。
「テヅカおじさんもヨコヤマおじさんもよく禁煙できているようで僕は嬉しいです。これ、ご褒美なので食べてください」
「え、俺達の名前覚えて・・・!?」
まさかこの沢山いる中で自分たちの名前を態々憶えていてくれたという事実に衝撃を受けて固まる2人の口に、天使様が直々に飴玉を入れた。2人の口に飴玉が入ったことを確認した天使様は一瞬だけにぱっ☆と笑って帰っていった。
「ぐはぁっ!?う、撃ち抜かれた・・・!
心臓
(
ハート
)
をよぉ・・・」
「もう俺、ショタ好きのままでいいかなって最近思ってる」
天使の笑顔である(別名堕天使の微笑みとも言うが)。
「クロエ君、最近営業スマイル上手くなったね・・・」
「みんなが喜んでくれるから・・・お姉ちゃんもスマイル欲しいですか?」
「・・・・・・・・・ちょ、ちょっとだけ」
「なぁ、テヅカ」
口の中に入った飴を弄ぶようにカラコロ言わせていたら、ふとヨコヤマが訊ねてくる。
「何だよヨコヤマ」
「いやさ。急に変なこと言うようで悪いんだが・・・俺、なんか今が人生で一番楽しい気がするわ」
「へぇ。お前もそう思うか?俺も実はそんな気がしてる」
「お前からそんなセリフが聞けるとはな・・・ヨコヤマ」
「うぇッ!?」
「何奴!?」
突然後ろから聞こえた声に振り帰ったヨコヤマはそこで信じられない光景を目撃する。そこにいたのは気絶した部下を一人小脇に抱えたズヴィズダー幹部の一人、ピェーペル将軍だった。しかも普段つけっぱなしにしている骸骨のマスク
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