暁 〜小説投稿サイト〜
もしもこんなチート能力を手に入れたら・・・多分後悔するんじゃね?
9,5話 ザ・チンピラーズ
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「あちぃ・・・」
「だりぃ・・・」
互いに似た様な事を言ってどっかり安物のソファに座り込む。
ここは俺達チンピラーズ(この呼び名に特別意味はない)の片割れであるチンピラBことヨコヤマの借りたアパートだ。現在ここにむさくるしい男二人で住みこんでいる。
「クソッ、なんでスーツって奴はこんなに暑苦しいんだ!」
「ついでに体が動かしにくくてしょーがねーな・・・あ゛〜今日も偉大なるハルンパス様の御世話になるか」
「湿布に対して止めろよその呼び方。新興宗教みてぇだぞ?」
「あ、新興宗教といえば最近ヒキパニ教ってのが広がってるみたいだぜ」
「知らねぇよそんなコト・・・」
無視して冷蔵庫から発泡酒と裂けるチーズを取り出す。一日終わりのこれが無ければやっていけない。本当はもっといい生ビールでも飲みたい所だが、生活費に余裕がないのではそれも夢のまた夢だ。まさにビールの泡の如く儚いものなのである。
「しっかし今時パートアルバイトでスーツ着用必須なんて珍しいよなぁ、テヅカ?」
「そーかぁ?時々見るだろそんくらい」
「そんなもんかね・・・っとと、いけねぇいけねぇ」
懐からライターとたばこの箱を取り出したヨコヤマは、思い出したようにライターをひっこめて箱の中からガムを取り出した。禁煙対策ガムらしいが詳しい事は知らない。中にたばこが入っていないと分かっていてもライターを出してしまうのは、喫煙者時代に付いた癖はヤニのようにこびり付いておりそうそう簡単には取れないという事だろう。
互いに煙草をたしなんでいた俺達だったが、最近はある理由から禁煙を心掛けている。
それにしてもヨコヤマは俺よりヘビースモーカーだった癖になぜ俺より体力があるんだろうか。神は理不尽である。ちょっと肺をクロスチェンジしろ・・・いや、お前と交換するくらいなら健常者と交換してもらうか。やっぱりテメーの真っ黒い肺なんぞいらねぇーッ!!
で、なんで俺達チンピラーズが都会の一件屋でパートなんぞしながら禁煙にいそしんでいるのかというと、それは俺達の命の恩人に怒られたからである。
定職につけ。
つけなければ努力しろ。
こんな業界さっさと足を洗え。
あとオジサンたちたばこ臭いからキライ。
正直最後の一言が一番傷ついた。恩人は天使のように可愛らしかっただけに涙を流しそうになったのを覚えている。
・・・あ。
「明日10時から昼2時まで町内禁煙活動あるぜ」
「マジか。丁度バイト空いてるな」
恩人天使様はたばこが大っ嫌いなのでこういうイベントには必ず参加している。天使様のご尊顔を拝み、ついでに天使様の住みよい下界づくりをするために俺達はこれに参加しなくてはならない。義務ではないが、自分たちに課した義務である。
・・・決して参加者に配られる昼飯
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