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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
【第284話(甲龍編)】
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こその遠距離射撃だろう――だが。
「間合いを詰めてくる……!? なら、こっちだ! 零落白夜ッ!!」
直ぐに接近戦だと判断した一夏は、右手に雪片を構え、左腕からは零落白夜の光刃が放つブレードモードに切り替えていた。
そうなると、わざわざそう【誘発】させたかいもあるもので、その場で上空へと跳躍――両手にある衝撃砲【崩拳】と肩の衝撃砲【龍咆】による速射性の高い見えない弾丸による雨が降り注ぐ――。
「くっ!? 接近戦しねぇのかよッ!? ハアァァアアアッ!!」
二刀流による零落白夜の空間への無差別斬り――それにより、多くの衝撃砲の弾丸はかき消されたが、それ以上に一夏のシールドエネルギーの消耗は大きかった。
見た目は派手な切り払いだが、【低威力の速射性の高い衝撃砲】に対しての対処としては一番最悪な形にしか見えない。
もちろん、観客へと魅せる技として見るのならば盛り上がること間違いないだろう。
だが、残念だが模擬戦の試合は人伝で訊いて来た人しかいないので意味がない。
話を戻すとして、明らかに全弾受けるよりも大きなエネルギー消費のある零落白夜二刀流での衝撃砲かき消しを選ぶ辺り、判断ミスが目立つ。
今の切り払いで大きく消耗した雪羅のブレードモードは、そのエネルギーを四散させ、雪片のみが光刃を輝かせていた。
「ハァッ、ハァッ……!」
「もう息が切れたのか? ……まだ、決着はついてないから休むなら勝敗を決めてからにしようぜ、一夏!」
突発的な加速で急降下する俺に、光刃輝く雪片で待ち構える一夏。
真っ直ぐ突き進むと判断したのか、前に構えるのを直ぐに俺は見て判断すると【三次元躍動旋回(クロス・グリッド・ターン)】で後ろを取る。
「なっ……!? クロス・グリッド――」
「隙ありってな、これがぁッ!!」
加速し、更に質量の乗った双天牙月による一撃はウィング・スラスターに深い切り傷をつけると同時に、がら空きとなった背部に強烈な一撃を叩き込む。
その衝撃に、前へ吹き飛ぶのと同時にウィング・スラスターが小さく爆発――その衝撃が決め手となり、試合終了のブザーと共に一夏は倒れ込む。
最後の最後に同乗者の身を守った白式は、そのエネルギーを使い果たしたのか粒子となって四散していった。
「……ッ! また……負けるなんてッ!」
拳を地面に叩き付ける一夏は、立ち上がると――。
「……何で使い慣れてない衝撃砲を使って勝てるんだよ……」
「……簡単だよ。 使い手の鈴音がいい手本になってるだけさ、これがな」
……時間に余裕がある時は、代表候補生の模擬戦の入った映像を見るときもある。
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