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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
【第284話(甲龍編)】
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のも作ってくれよ」

「へ? ……し、仕方ないわね。 また肉じゃが作ってあげるから、それで我慢してよね?」


 そう人差し指を立てて偉そうに胸を張るが、生憎と張るほど胸は無い。

 ……っても、とある誰かが貧乳はステータスだ、希少価値だって言ってたが。

 まあ確かに、最近は胸が小さな女の子は少ない気がするがな、これが。


「さて、あんまり一夏を待たせても仕方ないし……行くかな」


 そう言って勢いよく甲龍に乗り込み、背中を預けると各種装甲が自動的に纏われる。

 ……少々腕や足を締め付ける圧迫感を感じるものの、動きにはあまり支障はなさそうだ。

 ぐるんっと腕を回し、稼働域を調べてから双天牙月を呼び出す。


「じ、じゃあアタシは観客席に戻るからね? ……アタシの事は気にしなくて良いから、勝ちなさいよ?」

「了解した。 ……んじゃ、また後でな」


 そう言って拳を突き出すと、笑顔を見せながら突き出した拳を重ねる鈴音。

 それが終わると、ツインテールを靡かせながら観客席に走っていった――。

 それを見送るとほぼ同時に声が聞こえてくる――。


『アンタがヒルト? ふーん』

『……誰だ? ……てか、甲龍のコアか。 語りかけてくる感覚、ムラクモと同じだしな』


 そう心の中で返答すると――。


『そうよ。 アタシの名はシェンロン。 ……言っとくけど、ボール七個持ってきても願いは叶えられないからね?』

『は?』


 思わず出た言葉に、シェンロンと名乗ったコアは慌てて咳払いし――。


『ご、ごほんっ!! 何でも無いわよッ! ……一応、アンタの戦い方、見させてもらうからね? 下手な戦いしたら、追い出すからね!』


 言いたいことを一通り言ったシェンロン。

 言葉が聞こえなくなると、語りかけても応えなくなっていた。


「……よく分からんが、無様な戦いしなければいいんだな」


 そう一人でごちり、俺はピット口へと足を進めていった――。


――第三アリーナ中央――


 カタパルトから射出され、静かに待っていた一夏の元へと飛翔していく。


「……鈴の機体か。 なら気を付けるのは衝撃砲だな」


 そんな静かな呟きも、ハイパーセンサーは拾い上げるので迂闊に独り言は呟けないな。


「……一夏、お前が素直に楯無さんの言葉を認めてくれればこんな面倒な事も――」

「……言われっぱなしじゃ、男として許せねぇんだよ。 俺は弱くない。 ……ヒルトに勝って、それをあの人に証明させるッ!」


 雪片を両手で構える一夏。

 それに応える様に、俺も双天牙月を構える。

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