第二章
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は見事左中間にツーベースを放った。これで同点である。
仰木はさらに攻めたてる。またしても代打を送った。かって二連覇を達成した時の左のスラッガーであった栗橋茂である。ベテランの技に期待したのだ。
だが彼はここでは三振した。一気にチームの熱気が醒めようとした。
しかし小川は連続して四球を出す。これでクリーンアップにまで回った。近鉄側の観客席は一斉に騒ぎ出す。バッターボックスにはあのブライアントが向かう。
「行けぇ、ホームランや!」
だが彼の長打は三振と隣り合わせであった。彼はその長打力と共に三振の多さでも知られていたのだ。
彼は三振に打ちとられた。そしてこの回近鉄は同点に追いついただけに終わった。
近鉄は八回から守護神吉井理人を投入した。もう一点もやるわけにはいかなかった。
吉井はそれに応えた。その回彼はヒットを許しながらも無得点に抑えた。
そして最後の攻撃である。この回得点できなければ近鉄の夢は費えてしまう。四番を打つオグリビーがバッターボックスに向かった。高齢ながらその打撃でチームに貢献してきた男である。
だが彼はショートゴロに終わった。観客席に絶望が漂いはじめる。
「やっぱり牛島を打つのは無理ちゃうか」
だがここで淡口憲治がツーベースを放つ。それを見た仰木はすぐに動いた。
代走を出した。俊足の佐藤純一である。ヒットが出たならばすぐにホームへ突入できるように、だ。
「頼むで」
仰木は佐藤の足にかけていた。だがそれを見たロッテの監督有藤道世もベンチを出た。
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