ALO編
記憶なき者@
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花瓶に手を伸ばした。すると───
「あら、君は・・・」
振り向くとそこには四十代ほどの女性がいた。
「いつも花瓶の水が変えられてると思ったら、あなたの仕業だったのね」
その女性は優しく微笑んで言った。
「あなたは?」
「この子の、義理の母親よ」
「義理の?」
「ええ、この子の両親は小さい頃に亡くなってね、今は私の家で預かってるの」
「そう、何ですか・・・」
何故だろう、他人事なのに少し悲しく感じた。
「あなたが気にやむことはないわ、本当に優しいのね。看護師の方々の言った通りだわ」
「知ってるんですか?俺のこと?」
「ええ、噂になってるわよ」
女性は水を変えると新しい花をさして花瓶を置いた。
「そうですか・・・」
「あなたのような優しくてカッコいい男の子に看病されるなんて、この子も幸せね」
いきなりの発言に思わず吹き出しそうになった。
「い、いきなり何言ってんすか!?」
「あら、正直に言っただけよ?」
この人、まさか天然か!?
「じゃ、じゃあ俺行きますね」
「あら、もう行くの?」
「もうすぐリハビリの時間ですから」
「そう、頑張ってね」
「は、はあ・・・」
「そうだ、あなた名前は?」
「雪羅です。高嶺 雪羅」
「雪羅君ね、私は久保 幸子よ」
「久保さんですか?」
「幸子さんでいいわよ、どうせならお義母さんでもいいわよ♪」
「呼びませんよ!」
「あらあら、可愛いわね♪」
この人、どことなく母さんに似てるな・・・。
「では、俺はこれで」
俺が去ろうとした時───
「彼女を、思ってあげてね」
「えっ?」
俺は振り返ると幸子さんが笑顔で手を振っていた。言ってることが分からず、俺はそのままリハビリをしにホールに向かった。
ホールに入るとそこにはいつものトレーナーと一人の男がいた。
「親父、どうしたの?」
「ああ、お前に試してほしいものがあってな」
俺の父、高嶺 宗四郎は世界的にも有名な科学者で、主にロボット関係に力を入れている。そんな父が俺に試してほしいものとはいったいなんなのか。
「これだ」
出てきたのは、二足歩行ロボットの足のようなもの。それは人の足が入るような構造となっている。
「これは?」
「試作品のパワードスーツだ」
「パワードスーツ?」
「以前から取り組んでいてな、その試作品だ」
「て、それを俺に使えと」
「そういうことだ、早速使ってみろ」
「りょーかい、さて」
俺は手伝ってもらいながらそのパワードスーツ
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