デッドGP
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そこでふとグレイはある違和感に気づく。
「お前、帽子は?」
「レースに帽子は向かない、それくらい解るでしょ!」
凄いスピードで魔導二輪を走らせる事が予想されるだろう。
その状態で帽子を押さえているなんて出来ないし戦いにくい。
だからティアは帽子を外し、ワンピースのポケットに突っ込んでいた。
「なるほど、んじゃあ・・・行くぞオラァ!」
「解ってる!」
エンジン音を樹海に響かせ、結果として3台の魔導四輪が走る。
「面白い・・・オレとレースで勝負しようと?」
「ルールはねぇから覚悟しとけや」
「ま、ルールなんてあってもこの面子じゃ一瞬で消え失せそうよね」
どこか楽しそうなソプラノボイスが軽やかに舞い、ワース樹海のルール特になし、とりあえず魔法の使用も自由なレースが幕を開ける。
「アイスメイク、槍騎兵!」
最初に行動を起こしたのはグレイだ。
幾つもの氷の槍を一気にレーサーへと放つが、レーサーは2本の木の間を蛇のようにくねくねと運転する事で動きを読めなくし、避ける。
「ならっ・・・大海蝶乱!」
続けざまにティアが右手に魔法陣を展開させ、そこから水で構成された蝶を放つ。
その蝶をレーサーは大きく魔導二輪ごと逸らせる事で避けた。
そしてレーサーがお返しというように手をかざす。
「タイヤ!?うお!」
「危ないものを・・・転がすなーっ!」
転がってきた大量のタイヤをグレイは間一髪で避け、ティアは鋭く睨みをつけたタイヤ1つを思いっきり殴り付ける。
その瞬間タイヤの空気が抜けた(ちなみにそれを見た時、グレイの顔が若干引きつった)。
「!」
気づくと、レーサーはすぐ真横にいた。
左足でグレイに、右足でティアに妨害を入れ、笑みを浮かべる。
そしてそのまま3人は中が空洞となって横に倒れトンネルの様になった木の中へと入っていった。
「ぐあっ!」
「きゃあっ!」
レーサーの魔導二輪から大量の魔法弾が発射され、それによって2人は体勢を崩し一旦停止する。
「どうした、色男に色女」
その間にもレーサーは煙の立ち込める木のトンネルの中を進んでいく。
2人が止まっていたのは一瞬で、すぐさまエンジンをかけた。
(エルザの為に・・・負けられねぇんだよ!)
(こっちの目的はアンタ達の討伐・・・絶対逃がさない!)
結果としての2人の目的はどこか違えど、今は関係ない。
騒音を立て木のトンネルから飛び出すと・・・近くに見慣れた2人の姿が。
「「リオン!」」
「グレイ!?ティア!?」
「それに六魔将軍も!」
リオンとシェリーの蛇姫の鱗の2人だった。
「いい
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