番外中編
蒼空のキセキ
[4/4]
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
ことなのです。
◆
四十九層の辺境の村『スカイネスト』。
その構造上おおよそが円形をしている各層では、その端が見えるほどの位置に村があるのは珍しい。この『スカイネスト』は、そんな珍しい村の一つであり、もちろんいくつものクエストで今なお中層フロアの面々で賑わう地だ。
今回のクエスト、《大空の主》は、そんなクエストたちの中でも頭一つ抜きん出た難易度をもったクエストだ。ダンジョンのシステム上ワンパーティー……すなわち6人での攻略となるダンジョンだが、最後のボス戦に関しては出来るだけ少人数は望ましいと言う、少数精鋭の求められる場所。
このクエスト、検討すればかなり《冒険合奏団》向きの案件だ。
まず、敵は鳥の化け物だ。加えて今回はボスの性質上、仕留めるには遠距離攻撃が必須となる。その点に対して《冒険合奏団》には4人中2人がそれを持ち合わせて……しかも、例外的にそれなりの威力のある飛び道具を所持している。本来長引きがちなボス戦を、かなり短縮させられるだろう。
次に、レベル。今回の敵はどちらかというと求められるパーティーの防御力……すなわち壁戦士の力量は比較的低めであり、逆にその飛行性能ゆえに攻撃は的確かつ強力なものが必要となるボスだ。《冒険合奏団》はメンバー間でレベル差のあるギルドであり、壁戦士であるファーのレベルは低めとなっている。だが、このクエストではそれはさほど問題とならないということだ。
そして最後に、高レベルの二人がかなり軽装備であることも、求められる作戦にとても有用だ。
そのことを素早く見抜いたシドはすぐさまアルゴに連絡を取り、このクエストを待っている『攻略組』の順を調べていた。今回はようやく順番待ちの列が途切れ、彼らにクエストが回ってきたということだ。
ボス敵、《Elder Fly Vega》。
ドロップ品は『旋風の大剣』なる、『攻略組』でも使われる名剣だった。
ああ、一つ忘れていた。
ソラという少女の用いる武器は非常に多彩だが、こと遠距離における最強手段は《投擲》に分類される武器の一つである『投擲槍』だ。スピードや持ち運びやすさ、そして使いきりにするにはもったいないほどの価格であるという点では難があるものの、一発の威力に関してはダガーナイフやピックとは比較にならない威力を発揮する。
その『投擲槍』ために、とある一人の少女が泣きを見たことを、ここに記しておこう。
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ