番外中編
蒼空のキセキ
[3/4]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
あの場面でそれが必要だったのかは、疑問である。
まず第一に、私ダメージ受けてる。
次に、もしうまく着地できなきゃシドがダメージを(私よりはるかに大きい)受ける。
もいっこ。
「レミっちとファーたんの支援、ほっぽり出したよねっ?」
「……まあ、そうだが……」
お? これは勝てる感じか?
のりのりで追撃を仕掛けてみる。
「むむ? どうかな? シド。これはもしかしてっ、私のほうに勝利の女神の微笑む展開かなっ!? どうっ!? レミっち、ファーたん!」
「いや、オイラはシドさんが正しいと思うッス。こっちにいたハチの群れは大概片付いてたし、オイラ一人でも十分抑えられたッス。あの後はレミさんのソードスキル二発で片付いたッスよ」
「……どう、考えても、……ソラが心配」
「にゅうおぉ!? こ、このタイミングで手のひら返しとなっ!?」
「いや、別に元から味方してねーだろ、この場合」
「むむむぅ、シメンソカとはこのことかっ!」
……追撃はミスだったようだ。
むぅ。みんなギルマスに厳しいぞ。
私の呼びかけに応えた二人もまた、ギルドの仲間だ。大柄で「〜ッス!」という元気のいい声を上げる男の子が、ファー。小さくて無口系美少女のほうが、レミ。ちなみに私的には二人の階級は前線維持部隊キャプテンと広報火力支援部隊エースだ。
レミ、ファー、シド、そして私、ソラ。
この四人が、ギルド、《冒険合奏団》のメンバー。
私の、心から愛する、仲間たち。
「むーっ、みんながいじるよぉーっ、レミっちー」
「……よーしよし、……シドは、過保護だからねー……」
「そうだーっ、シドは過保護だーっ、子どもの成長を妨げるぞーっ」
レミに抱きついて、オーバー気味に声をあげる。
意外とノリのいいレミは、これにいつだって乗ってくれる。
本当に、身内びいきは承知だけど、それでも最高のギルドだと思う。
こんな他愛のない小芝居のやり取りさえ、愛おしいほどに。
まあ、強いて言えば、あえて挙げるなら。
「ま、小芝居は置いといて、だ。そろそろ両手剣も替え時だろうな。ちょうどいいクエストの順番待ちが空いてるのをアルゴに聞いた。層は……四十九層だ。一応今のレベルでも大丈夫なのは確認して……っていうか俺は一回行ったことあるクエだ」
「あ、これは完全スルーなんスね」
「えーっ、シドもそこは乗ってよーっ。「ばっ、なななな何言ってんだよっ! そ、そんな心配なんてしてねーし!」って言ってあわてるとこだよーっ!」
「……まだまだ、ノリが、甘い……」
この小芝居に、シドがあんまり乗ってくれないことくらいか。
言い換えればこの気持ちに、シドがあんまり応えてくれないって
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ