第五十五話 百鬼夜行その九
[1/2]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
「動物とかものが仙人になるでしょ」
「狐とか琵琶とか」
「石もありましたね」
「でしょ?仙人になるのは人間だけじゃないのよ」
動物や本来は意志を持っていないものもだというのだ。
「その辺り重要よ」
「そうなんですね」
「人間だけじゃないんですか」
「そうよ、だから博士にしてもね」
あらためて博士の話をする茉莉也だった。
「仙人かも知れないし」
「妖怪さんにも近いんですか」
「そうかも知れないんですね」
「ひょっとしたらね」
茉莉也はこのことを話す。
「博士と妖怪さん達のお付き合いも百三十年以上みたいだし」
「普通に滅茶苦茶長いですね」
「そこまで古いお付き合いですと」
妖怪達に影響を受けているのではないのか、二人は首を傾げさせて考える顔で茉莉也に応えて話した。
「妖怪さんになっていても不思議じゃないですね」
「博士にしても」
「そうでしょ。私も時々博士についてはそう思うのよ」
妖怪化しているのでは、というのだ。
「あくまでひょっとしたらだけれどね」
「ううん、ひょっとしたらですか」
「仙人じゃなくて」
「まあね、あの人の場合はね」
そうかも知れないと言う茉莉也だった、そうした話をしているうちに。
ぬらりひょんが集まっている一同にこう言ってきた。
「さて皆の衆よいか?」
「うん、今からだね」
「はじめるんだね」
「コースはいつも通りじゃ」
その道のことも話すのだった。
「それで行くことにしよう」
「よし、じゃあ今晩も楽しくやろう」
「楽しく歩こうね」
「この百鬼夜行も楽しいんだよね」
「いい遊びだよ」
「さてさて、楽しみじゃのう」
ぬらりひょんもにこにことして言う。
「こうして皆で仲良く歩き回れるのもよいことじゃて」
「何か随分と楽しそうだけれど」
「百鬼夜行ってそんなに楽しいの?」
愛実と聖花は妖怪や幽霊達、特に今はぬらりひょんを見て首を傾げさせる。
「ピクニックかハイキングに行くみたいだけれど」
「それでもなの」
「そうだな、ピクニックだな」
日下部は愛実のその言葉に対して言う。
「百鬼夜行は」
「そっちになるんですか」
「妖怪さんや幽霊さんにとっては」
「パレードかも知れないがだ」
それでもだというのだ。
「ピクニックと言っていいかも知れない」
「ううん、ピクニックですか」
「百鬼夜行ってそうなんですね」
「そうだ、では今から行くか」
「はい、わかりました」
「それじゃあ」
「二人共離れないでね」
茉莉也は二人の後ろから言う。
「離れたら道がわかりにくいからね」
「夜だからですね」
「昼と違いますから」
「そうよ、何処でも昼と夜は全く違うからね」
暗くなるとそれだけで何もかもが変わる、学校は特にだ
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ