第八十四話 運が持つものその十三
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「戦いを止めたい剣士は五人、だから」
「三人ですね」
「ええ、ただ問題はね」
「その三人の方々ですね」
「炎の剣士はいいわ」
中田、彼はというのだ。
「そして熱の剣士も」
「あのロシアから来た留学生の方も」
「二人はいいわ、けれど」
「魔の剣士はですね」
「ええ、彼はね」
加藤、彼のことである。
「かなり厄介よ」
「どうも今回の戦いでは闇の力と魔の力は似ていますが」
「剣士達は違うわね」
「はい、そうですね」
「そしてまずはね」
権藤、彼だった。
「彼に降りてもらいましょう」
「まずはですね」
「一人の剣士にこだらないことよ」
智子はこのことは確かな微笑みで話す。
「それだけむ無駄な時間を過ごすことになるから」
「それよりも解決出来ることをですね」
「そう、優先させてね」
終わらせていくべきだというのだ。
「さもないと時間が足りなくなるわ」
「時は無限ではないからこそ」
「大切にしないといけないわ」
この考えからだった、智子はまずは権藤や他の剣士達のことから終わらせていくべきだというのである。
そう話してだ、そしてだった。
智子は聡美と共に進む動物園の中の爬虫類のコーナーを右手に見た、そこには様々な爬虫類達がいる。
その中の蛇、ガラスケースの中の緑の木にボールの様に絡まり休む蛇を見てこう言うのだった。
「蛇は私にとってはね」
「化身の一つですね」
「母様がそうだったと言われているわね」
「メティス様でしたね」
「私のルーツは大地よ」
アテナは元々は大地の女神の一人だったという説がある、そしてその象徴である生き物は蛇だったというのだ。
そのことだ、智子は今聡美に言うのだ。
「だから蛇はね」
「お姉様にとっては特別な獣の一つですね」
「そうよ、だからこうして見るのは」
それはというのだ。
「感慨深いものがあるわ」
「そうなのですね」
「貴女も豊穣神であるとされていたわね」
「はい、エフォソスの神殿において」
崇拝されていた、そこでのアルテミス女神の胸は無数にあるよく知られている姿とはまた別のものであるのだ。
「崇拝されていました」
「そうだったわね」
「私達も時代によって変わるわね」
「そうですね、何かと」
「人も変わるわ」
この話をしつつだ、智子はその緑の蛇を見ながらこうも言った。
「それにしてもこの蛇は」
「確かグリーンパイソンでしたね」
「ええ、それがこの蛇の名前よ」
鮮やかなまでの緑のその蛇の名前も話される。
「いい名前ね」
「そうですね、ギリシアにはいない蛇です」
「インドネシアやオーストラリアにいる蛇よ」
「東南アジア、そしてオセアニアですか」
「ええ、あの辺りには面白い動物が多いわ」
蛇もま
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