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ヘタリア大帝国
TURN128 ヒムラーの誤算その三
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「ですから」
「安心していいというのですね」
「ご安心下さい」
 ここでも強い声でだ、セーラはルイ八十一世に告げた。
「貴国は我々が守ります」
「では」
「共に戦いましょう」
 英仏の国家元首同士の会談はオフランスがエイリスの援護を受けるという形でまとまった、だがその後で。 
 エリザは今はイギリス兄妹だけと共に密室にいた、そこで真剣な顔で二人に言うのだった。
「オフランスはね」
「あれは全然駄目だな」
「戦力にはなりませんね」
「ええ、フランスさん達もいないしね」
「しかも提督として使えるシャルロット王女も向こうにいるしな」
「戦える人材はいません」
 二人は深刻な顔でエリザに答えた。
「だから今のオフランス軍はな」
「開戦当初と全く変わっていません」
「ドクツに負けても全然わかってないわね」
 エリザはある意味感心していた、とは言っても肯定的な意味ではない。
「マジノ線も全然改善されていないわ」
「今時あんなものじゃな」
「何も止められません」
 マジノ線の衛星達の攻撃力も耐久力もだ、第八世代を主戦力にしている今の枢軸軍には何の意味もないというのだ。
「どうにもならねえよな」
「あの程度では」
「オフランスは負けるわ」
 エリザは断言した。
「私達がいてもね」
「そして俺達にしてもな」
「ロンドンでの攻防も」
「攻められたら終わりよ」
 その時点でだというのだ。
「だからね、そろそろね」
「女王さんに話すか」
「そしてロレンス提督にも」
「ええ、話をしましょう」
 こう言ったのである。
「切り札をだすわよ」
「あれか」
「あれですね」
「さもないと本当に負けるわ」
 今のエイリスでは、というのだ。
「オフランス戦の後はね」
「こっちもあの切り札を出してな」
「勝ちましょう」
「勝利を目指すならね。ただね」
「ただ?」
「ただとは」
「今のエイリスが勝利を収めても」
 それでもだとだ、ここでこう言ったエリザだった。
「貴族達の専横が続いている限りはね」
「あの連中なら」
「彼等をどうにかしたいのですが」
「一緒よ、エイリスは彼等が利権を貪るだけでね」
「腐っていくだけだな」
「このまま」
「ええ、だからね」
 エリザはあえてだ、彼女の国家達に言った。
「ここでエイリスは負けてもいいかも知れないわ」
「おいおい、エリザさんがそう言うのかよ」
「前女王の貴女が」
「世界の盟主が必要かどうか」
 そうした話にもなるのだった。
「最近そのことも考えているのよ」
「だからそれはエイリスだろ」
「私達ですね」
「そう思うわよね。けれどね」
 だがそれでもだというのだ。
「太平洋諸国は一応日本が盟主だけれど」
「どの国も平等だしな」
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