暁 〜小説投稿サイト〜
DQ4 導かれちゃった者達…(リュカ伝その3)
第6章:女の決意・男の勘違い
第25話:集団行動は苦手ですか?
[1/4]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話
(世界樹の根元)
ウルフSIDE

リュカさんと行動を共にするようになって幾年月……
驚く事ばかりの過去であったが、流石に慣れも感じてきた。
そう簡単に驚かない自信があったのだけど、世界はまだまだ広いらしい。

俺は気球から見下ろす世界樹の大きさに驚いている。1本の木で、これほど巨大な木は無いだろう……
世界樹の根元に気球を降ろしたくても、生い茂る枝葉が邪魔で500メートル以上離れた場所にしか着陸できないのだ。

何とか着陸しまたも驚く事に……
地上から見上げる世界樹の巨大さは、まさに脱帽としか言いようがない。
一体樹齢何年なのか……見当も付かないよ。

もっと近くで世界樹を見ようと根元まで歩く……
すると驚きが再登場!
なんと根元では小さな集落が形成され、生命の営みを感じる事が出来た。

しかも人間だけの集落ではない……
エルフも居れば、ドワーフも居るし、ホビットに魔族までも共に生活を送っている。
俺達はグランバニアで見慣れているが、シン君達には驚愕だったのだろう。

「こんな場所があるのに、何でデスピサロは人間を滅ぼそうとしてるんだ?」
と、シン君の呟きにロザリーさんもラピスさんも頷いていた。
「最初から争う必要なんて無かったのよ」
そう笑顔で諭すビアンカさん……美味しい所を持って行く辺り、夫婦ソックリだな。

だがここで、最大級の驚きが俺の身に降り注ぐ。
“青い鳥”と言う物語があるが、世界がどんなに広くても真の驚きとは身近にある物なのだ。
そう……身内が一番驚きなんだよ!

「あ! 木の上で美女が助けを求めてるぞ!」
誰の台詞か説明しないが、そう言うと突然あの男は世界樹に飛び付き上へと登り始めたのだ。
その登り方がこれまた驚きで、世界樹表面の小さな凹凸(指の先が辛うじて引っかかる程度)を利用し、ロッククライミングの様に(いやこの場合ウッドクライミングだが)スルスルと視界から消えてしまいました。

もう驚きすぎて何も言えなかったね……
我に返ったのはビアンカさんが「あ、拙い……自由を許しちゃったわ」って呟いた時だ。
多分10分は呆然としてたと思うよ。

「あのオッサン、以外とせっかちよね」
そう批判したのは娘のマリー……
世界樹の根元を指差し、父親の非常識さを指摘する。

そう……この世界樹というのは、元より上に登る事を前提とした植物らしく、人の手によって世界樹内に入り登れるように加工されていたのだ。
勿論、直線的に登るより時間はかかるだろうけど、奴のように非常識な事が出来なくても、上に行く事が可能なのである! ……だが、

「私達に聞こえないって事は、相当上の方に居るってことよね……あぁ、また増えるのか」
俺達がリュカさんに合流できるのは、一体何時間後だろうか
[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ