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皇太子殿下はご機嫌ななめ
第51話 「男子の名前」
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ヴィヒの悪影響をうけておるとしか思えぬわ。

「そなたはそれでも国務尚書かっ」
「帝国宰相には逆らえませぬ」
「そこをなんとかするのが、国務尚書の役目であろう?」
「皇太子殿下に直接仰られては?」
「あやつに言うても、右から左じゃー」

 予が憤っておると、女官達が台車で追加の書類を持ってきよった。
 いったいこれで何箱目じゃ。多い。多すぎるわ。

「宰相閣下はこの五倍はこなされておられます」

 おのれー。ルードヴィヒめ。
 しかも女官達の目のきらきらしてる事と言ったら、そんなにそなたらもルードヴィヒの事を。

「心から敬愛しておりますよー」
「その半分で良いから、予にも敬愛の情があっても良かろうに」
「愚痴っていても仕事は減らないものです」

 言うようになったものじゃ。
 ええい、さっさと人材を掘り起こして、丸投げしてくれるわー。

「その意気でございますぞ」

 うぬぬ……がっでむじゃ。

 ■MS開発局 アンネローゼ・フォン・ミューゼル■

 ふっふっふ。やってきました開発局に。
 目的はただ一つ。

「これはこれはミューゼル様。いかがなされましたか?」
「わたし専用のMSが欲しいのです。そして皇太子殿下と一緒に、ふっふっふ」

 開発局員がおずおずと挨拶してくるのを押しとどめ、言います。
 言った途端、局員の顔がにやぁ〜っと笑みを浮かべました。
 格納庫を見て回りますと、一機のMSが目に入りました。素敵です。皇太子殿下の専用機にも似た四枚の羽。

「これは?」
「ふふふ。さすがはミューゼル様。お目が高い。これこそ、わが開発局が総力を結集して作り出した一品。その名もキュベレイ。ダークワインレッドパールの色彩がミューゼル様に良くお似合いです」
「これにしましょう。これがいいです。ふふふ」
「はっはっは」

 格納庫の中で笑い声が響いていきます。
 アレクシアさんには悪いですけど、皇太子殿下と一緒に宇宙遊泳と行きましょうか。
 MSに乗れるのであれば、皇太子殿下も話に乗ってくるはずですー。

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