第51話 「男子の名前」
[1/5]
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
第51話 「アンネローゼの専用機」
ルードヴィヒ・フォン・ゴールデンバウムだ。
この出だしもずいぶん久しぶりだな。まあそれはともかく、アレクシアが子どもを産んだ。
公務の合間を縫って、色々と名前を考えたが、やはりあいつしかないだろう。
エルウィン・ヨーゼフ。
さすがに存在そのものが無くなってしまうのは哀れだ。
もっとも徹底的に鍛えてやるが。
同姓同名で、中身は替えてやる。躾のなっていないガキじゃなくて、どこにだしても恥ずかしくない男にしてやろう。
しかしエルウィンが生まれてから、あちらこちらから贈り物が届いてくる。
まあ色々あったが、一番驚いたのは……。
自由惑星同盟……あいつらから送られてきた本だった。
題名は『権利と自由。-平等を目指して、基本的人権の尊重-』
「嫌味かっ!!」
それとも皮肉か? いやいや、連中の心の叫びが聞こえてきそうなチョイスだった。
しかしながら今だけでなく、前世も含めて思うのだが、権利と義務だろう。どうしてこの手の本という奴は、責任とか義務とかが、おざなりになるんだろうな。
原作でさー。
ヤンが確か、戦いで負けても国がなくなるだけで、個人の自由の方が大事だとか言っていたが、負けたら農奴に落とされるかもしれないだろうに。
戦争に負けても、自分達の生活は変わらないと思う根拠はなんだったんだろうな?
う〜む。分からん。
そりゃラインハルトだったら、無茶な事はしないだろうが、門閥貴族だったらやりたい放題にされるぞ。遊び感覚、狩り感覚で、同盟の市民が殺されても不思議じゃないんだ。帝国の捕虜収容所の悲惨さは知っているだろうにさー。貴族の横暴さもさー知らないのかな?
なんか妙にのうてんきな発言だよなー。なんでだ?
自由惑星同盟の成り立ちを忘れてるんじゃねえか? 歴史家志望の癖に。
■宰相府 ジークフリード・キルヒアイス■
宰相閣下に子どもが生まれてからというもの、ベーネミュンデ侯爵夫人はアレクシアさんに付きっ切りになってしまい、マクシミリアン様をよく、宰相府に預けていかれるようになった。
喜んでいるのはラインハルト様だ。
よちよち歩く、マクシミリアン様と(子持ちの貴腐人ではない)エリザベート様の手を引き、遊ぶ。
そしてアンネローゼ様の事を、
「あのお姉さんは怖いから、近づいちゃダメ」
などと教え込んでいた。
ああ、どうしてこうなった? あんなに仲の良い姉弟だったというのに……。
わたしにはわかりません。つ〜か、分かりたくありません。
「ラインハルト!!」
「逃げるぞ。マクシミリアン、エリザベート」
アンネローゼ様が軽くこぶしを握り、腕を上げます。
きゃっきゃと笑っている二人の手を引
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ