第二十二話 俺の最後
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ウヤは肩を竦め、「はぁ。」と小さくため息をつくと、
ユ「お前の心は、広大な宇宙よりも広いな。」
例え方が大袈裟過ぎると思うぞ・・・
ユ「大袈裟になるほどお前の心は広いんだよ。『十二支』の血を持つ人間が、「必ず『光』の人間である事」っていう規則はねぇだろ?」
た、確かにねぇけど・・・
ユ「だから俺は、お前がシン・バンギであり、『十二支』の『子』の血を持つバンギ家の十代目って事も最初から知ってたんだよ。とにかく、ここは暗殺系の依頼ばかり遂行し続けた闇ギルド、赤面の吸血鬼。俺は赤面の吸血鬼のS級魔道士であり、『十二支』の『酉』の血を持つスクレイ家の十代目。そして、今俺の目の前にいるのは『十二支』の『子』の血を持つバンギ家の十代目。今ここで、お前を殺すっ!!」
そう断言するユウヤの黒い吊り目には『光』は射していなく、邪悪な『闇』が見えていた。ユウヤは黒いカーゴパンツの左ポケットから物質棒を取り出すと、手際良く伸ばし、棒の先端に圧縮した雷の球を出現させると、
ユ「でえぇりゃああああぁぁあああぁぁぁああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああっ!!!」
物質棒を俺に向かって振りかざしてきた。俺は瞬時に炎を纏った拳で防御する。
シ「だりゃあっ!」
ユ「ぐはっ!」
防御しながら俺は右膝でユウヤの顎を蹴る。その隙に俺はユウヤから遠ざかると、緑と赤茶色の石のブレスレットを外した。
ボワワワワワァン。
白い煙が俺の体を包み込んだ。煙が晴れると、そこには『子』の姿になった俺がいた。それに応えるかのように、ユウヤも銀色の飾りで縁取られた黒い球体のペンダントを外した。
ボワワワワワァン。
白い煙がユウヤの体を包み込んだ。煙が晴れると、俺の目の前には『酉』の姿になったユウヤがいた。俺は小さな手足を必死に動かして走り出した。ユウヤも漆黒の羽を広げ、空を飛び俺を追いかけた。
シ「はぁ・・はぁ、はぁ・・・はぁ、はぁ・・はぁ・・・はぁ・・はぁ・・・はぁ、はぁ・・はぁ・・・はぁ、はぁ、はぁ・・はぁ・・・はぁ、はぁ・・はぁ・・・はぁ・・はぁ。」
俺は走りながら時々後ろを振り返る。背後では『酉』の姿になったユウヤが目を光らせていた。そして・・・
カプッ。
シ「うああっ!」
ユ「確保ー!」
俺はユウヤに捕まった。今の俺の状態は、鴉に食べられそうになっている鼠だ。ユウヤはそのまま宙返りをし、急降下し始めた。
ユ「このままお前を床に叩きつ
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