第二十二話 俺の最後
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、だろ?」
言おうとしていた事をそっくりそのまんま言われた。ていうか、
シ「何で、俺の名前知ってるんだ?」
俺、こいつと会う前にどっかで名乗ったっけ?
ユ「お前は名乗ってねぇよ。でも、俺はお前の事を知っている。」
シ「!?」
ユ「なぜかは、すぐに分かるさ。」
理由を聞こうと思ったが、「すぐに分かる」という言葉を聞いて、俺は言おうとした言葉をぐっと我慢した。俺は素早く五色腕輪を取り出し、紐から赤い腕輪を外すと右腕に着けた。両手に炎を纏うと、
シ「うぉらあああぁぁああぁぁあああああっ!!」
小さく地を蹴り、ユウヤに向かって駆け出した。すると、ユウヤは笑顔を崩さずに左ポケットから素早く何かを取り出した。それは手の平サイズの黒光りする棒だった。あれがあいつの魔法道具か?
シ「そんな棒で何が出来るんだよっ!」
後三mというところで俺は炎を纏った左手をユウヤに向かって振りかざした。俺の炎を纏った拳は徐々に無防備のユウヤの顔面に近づいていく。ユウヤの顔面まで後三十cmというところで、
ユ「出来るさ。」
ユウヤが小さく呟いた。それとほぼ同時に、俺の炎を纏った拳はユウヤの顔面に・・・当たらなかった。
シ「んなっ!?」
俺は目を見開いた。ユウヤは俺に笑い掛けた。俺の炎を纏った拳は、ユウヤがさっき取り出した手の平サイズの黒光りする棒で受け止められていた。手の平サイズの黒光りする棒は、いつの間にかユウヤの腕と同じくらいの長さまで伸びていて、棒の先端に圧縮された水の球が俺の拳を包んでいた。
ユ「ていっ!」
シ「うごっ!」
俺が驚いている隙に、ユウヤは反対の棒の先端で俺の鳩尾を殴る。俺はよろめきながらユウヤから遠ざかる。
シ「そ、それが・・お前の、魔法道具・・・か?」
痛みを堪えながらユウヤに問う。ユウヤは笑顔を崩さずに、
ユ「そうだ。ナノハナの街の魔法屋で奪い取ってきたんだ。確か・・・物質棒だったかな?」
奪い取ったのかよ・・・
ユ「魔法屋のおっさんの話だと、この物質棒は特別で、持ち運びに便利な折り畳み式バージョンなんだってよ。」
笑顔を崩さずに言った。五色腕輪と少し似てる気がする。ていうか、
シ「お前、物質棒についてやたらと嬉しそうに語るな。」
そんだけ物質棒が気に入ってるのか?すると、ユウヤは物質棒を手の平サイズに戻し、黒いカーゴパンツの左ポケットに仕舞い込んだ。
シ「何だ?俺の|五色腕輪《フィフ
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