第二十二話 俺の最後
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S全「瞬間移動。」
赤面の吸血鬼のS級魔道士の奴等が言った瞬間、辺りが眩しい光に包まれて、俺は思わず目を瞑った。
?「おいおい、いい加減目を開けろよ。こんくらいの光で目を瞑っちまうなんて、男のくせに情けねぇな。」
すぐ傍で挑発的な男の声が聞こえた。俺は少しムッとしながら目を開けると、
シ「・・・はい?」
俺の目の前に広がる光景は、四方八方、うっそうと生い茂る高い樹木が聳え立つ森の中。太陽の光は射さず、森の中は薄暗かった。
シ「こ、ここは・・ど、どこの森だ・・・・?」
辺りを見回しても、ナツ達はどこにもいない。逸れたのか?不気味なくらい、辺りは静まり返っていた。
?「驚いたか?」
シ「!」
声が聞こえた方に振り向くと、左側に逆立った黒髪に黒い吊り目、黒いTシャツに黒いカーゴパンツという全身黒ずくめの男が白い歯を見せながら俺に笑い掛けていた。男の右耳には銀色のピアスが揺れていて、首には銀色の飾りで縁取られた黒い球体のペンダントが揺れていた。黒いカーゴパンツの左ポケットが少し膨らんでいる。
シ「お前が赤面の吸血鬼のS級魔道士の一人だな。俺の仲間はどこだ。」
赤い瞳で男を睨み付ける。男は笑顔を崩さずに、
?「そんなに焦るなって。お前さんの仲間は、俺の仲間と別の修行室で戦ってるさ。ちなみに、ここは赤面の吸血鬼の魔道士専用の修行室だ。この森は修行室に映し出したCGだ。リアルで面白いだろ?」
確かにリアルだが、そんな事を聞いた覚えは無い。
?「お前さんの仲間がどんだけ強いかは俺は知らねぇが、俺の仲間に勝つ事は百年経たねぇと不可能だぜ。」
シ「言ってくれるな。お前の仲間が強いか弱いかは知らねぇけど、あいつ等を本気にさせたら、後悔するのはそっちだぜ。」
CGだが、森の中に緊迫した空気が静かに流れる。俺と黒ずくめの男はしばらくお互いを見詰め合った。男の瞳は、常に何かを見透かしているようで、目を逸らしたり油断したりしたら何かを奪われてしまいそうで不気味だった。だから俺は、冷や汗を流しながらも男から目を逸らさなかった。
しばらくお互い見つめ合うと、男が「ふっ。」と鼻で笑った。
?「そんなに俺の目が怖いか?」
笑顔を崩さず問いかけてきた。俺は黙ったままだ。男はまた「ふっ。」と鼻で笑うと、
ユ「俺はユウヤ・スクレイ。赤面の吸血鬼のS級魔道士の一人だ。」
黒い吊り目が更に吊り上がった。俺はズボンのポケットに手を突っ込みながら、
シ「俺はシ・・・」
ユ「シン・バンギ。妖精の尻尾の魔道士
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