第三章 [ 花 鳥 風 月 ]
三十三話 読心の瞳
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「すみません、出来ればこれも取っては頂けませんか?」
少女達が指したのは胸元に張られた一枚の符だった。触れてみるとかなり高度な封印符だと分かる、ここの連中はどうやってこんな高度な物を手に入れたんだろう?とりあえず符を剥がそうとした時それを静止する声が上がった。
「待ってくれ!そのまま剥がすとその子達が苦しい思いをしてしまう!僕がやろう、その符を作ったのは僕なんだ」
懇願に近い視線を送ってくる男性にルーミアの非難の声がかかる。
「あんたもこいつらの仲間でしょう!」
ルーミアの言葉に男性は歯噛みするだけで反論しようとしなかったが僕は男性を信用する事にした。
「じゃぁお願い」
「虚空あんたね!」
文句を言いながら女の子を抱きかかえて近付いて来たルーミアを宥め、僕は男性の作業に目をやると符が剥がされた瞬間女の子達から妖気が発生しその身体に管の付いた目玉が現れる。
「そういえば自己紹介がまだだったね、まぁこんな状況だけど。とりあえず初めまして僕は七枷虚空、こっちがルーミア」
僕がそう名乗りを上げると少女達もそれに応えてくれる。
「此方こそ助けて頂いていて名乗るのが遅れました、私は古明地 さとり(こめいじ さとり)」
「わたしは妹の古明地 こいし(こめいじ こいし)だよ!」
さとりと名乗った少女は上はフリルの多くついたゆったりとした水色の長袖、下は膝くらいまでのピンクのセミロングスカートを穿き、頭には赤いヘアバンドを付け、赤色の管の付いた目玉を纏わせている。
こいしと名乗った少女は上は黄色い生地に二本白い線が入った緑の襟の付いた長袖、下は緑色のセミロングスカートを穿き、青色の管の付いた目玉を纏っている。
二人に続きルーミアに抱きかかえられている少女がオドオドとしながら口を開いた。
「わ、私は比那名居 地子(ひなない ちこ)です…」
さとりとこいしは少女に近付き先程助けられなかった事を謝罪しているが地子はそんな二人に笑顔を見せ気にしていない、と気丈に振舞っている。実際は相当にまいっている筈だが泣きそうな顔で謝罪するさとりとこいしを安心させたいのだろう、優しい子だね。
そして最後に残った男性が名を告げてくる。
「僕の名は博麗 綺羅(はくれい きら)と言います」
そう名乗ると礼儀正しく頭を下げる。その言動、行動を見て僕はさっきから感じている疑問を綺羅に投げかけた。
「ねぇどうしてここの連中に協力しているんだい?勘だけど、君こいつ等に捕まる様な実力じゃないよね?」
言ったとおり勘だけど彼の実力ならこんな連中に捕まるなんて事にはならない気がする。だからどうして協力的なのかが分からない。僕に問われた綺羅は顔を伏せ押し黙ってしまった。しかし、
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