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SAO二次創作者と、二次主人公ズの、やりたい放題桃太郎
第五章 強襲作戦 前編
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る。それらは彼女の着物を切り裂きほんの其処から少しだけ血がにじんでいたが、少女はそれを無い物とするが如く、刀ひねり、引き抜き……
えみ「セェェッ!」
肉団子「あ……!が……」
気合い一閃。
この上なく見事な型からの袈裟切りを持って、その男の生命活動を完全に停止させた。
途端、まさきの全身に広がりつつあった石化は、まるで表面だけが石化していたかのように粉々に砕け散って消える。
少女はしばらく死体を見下ろしていたが、やがて刀をその場にとり落とすと、眼に涙をいっぱいに溜めて振り向いた。
まさき「え……み……? 何、で……」
えみ「まさき君……」
震えた声を詰まらせながら、理解できないと言う風に呟くまさきを見た瞬間、溜まっていた涙が一気に溢れた。居たたまれなくなって、えみはフラフラと立ち上がったまさきに飛いた。どう見ても足に力が込められていないまさきにえみを受け止められるはずもなく、二人して床に倒れこむ。
まさき「なっ、お、おい……」
えみ「良かった……良かったよぉ……!」
正直言って、えみには最後の場面の記憶があまりなかった。……ただ、目の前でまさきが死んでしまう。そう思ったら、いても立ってもいられなくて。命の恩人だからとか、この島を取り戻しに来てくれたからだとか。そういうことは関係なしに、ただただ、彼が死ぬことが許せなくて。気付けば、刀を拾っていた。後先など、何も考えずに。
まさき「……その、何だ」
それからしばし、えみがまさきの胸に顔を埋めて泣いていると、ずっと無言だったまさきの声が頭上から降ってきた。
えみ「……?」
埋めていた胸から、目から上だけを離して、えみは視線を上げた。すると、数瞬迷うようにまさきの右手が宙を漂って、やがてえみの頭上に着地する。
まさき「……ありがとう。助かった。……生きてるよ。俺は」
えみ「……!」
切れ長の目を柔らかく細めた、優しい表情。自分が毒から目覚めて最初に出会った顔を見て、えみは全てを理解した。
――目の前の、クールで、ちょっと冷たいようにも思える彼が、本当は凄く優しいんだということも、今胸の中で心臓をバクバクと跳ねさせているこの感情の正体も、全て。
だから。
えみ「……うんっ!!」
今、自分が見せられる最大限の笑顔を作ると、えみはもう一度だけまさきの胸に顔を埋めて、今までよりも強く抱きしめた。
まさき「……そろそろ、離れてくれ」
えみ「えー……」
それから暫し。中々消えなかった石化していた部分のだるさがようやく抜けたため、まさきは胸にしがみついていたえみを促した。が、還ってきたのは何故か不満そうな声。
まさき「……いつまでもここでこうしているわけにもいかないだろう」
えみ「それは……そうだけど……」
むぅ、と、尚も不満そうな声を
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