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SAO二次創作者と、二次主人公ズの、やりたい放題桃太郎
第五章 強襲作戦 前編
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が全く動かなくなる。

まさき「クソッ……! ここに来て……!!」
手を床に叩きつけようとしたまさきだったが、どれだけの力を込めても、腕は1ミリたりとも動かなかった。噛み締めた唇から血が流れ、口の中に鉄の味が広がる。

まさき「ここまで、か……」
どうやっても身体が動かないことを分からされたまさきは、力なく呟いた。
元々、まさきは生にそれほどの執着心を抱いていなかった。肉親も、親友を失ったこの世界で、ただひたすらに仕事漬けの毎日。楽しいと思えることもなく、生きたいと願ったこともない。あんな下衆に殺されることは口惜しいが、逆に言えばその程度だ。
ただ、一つだけ気になるのは……

まさき「……えみ……か」
今日、ついさっき出あったばかりの彼女だったが、まさきはそれ以上の印象を彼女に覚えていた。ただひたすらに、自分さえ投げ打って姉妹の安全を懇願した彼女の心情は、天涯孤独で自分本位のまさきには、到底理解できなかった。それでも、必死に思いをぶつけてくる彼女を嘲笑うことはできなくて。

まさき「……まぁ、もういいか」
まさきはそう言って、えみがいたであろう場所に視線を向けた。彼女があの羽織を着ている以上、まだその場所にいるのか、それとももう逃げ出したのかは分からないが、とにかくそこに姿はない。

まさき「……」
まさきは動かない四肢から完全に力を抜くとゆっくりと目を閉じた。深い深い胸の奥、深層心理と表層心理の境界線で、彼女の無事を祈りながら――。

瞳を閉じるまさきの耳に、不愉快な声が響く

肉団子「ホォッ……!ホォッ……!力、つきましたか。良い気味、ですねェ……!」
とぎれとぎれの声を出している肉団子も、最早風前の灯と言ったところだろう。しかしそれでも執念だけはあるらしいその男は、今もなお、生存していた。そして彼がそうある限り、まさきに掛かった石化は解けることもない。
完全に石となってしまえば、最早……

肉団子「と、とにかく、一刻も早く、か、か、回復を……こんな、小僧と、心中何ぞ……じょ、冗談じゃ……ぁ!?……か……」
まさき「……?」
突如として、一陣の風が吹いた。
傍らにあったはずの、愛刀の気配が消えている。吹いた風の中に、まさきは嗅いだ事のある香りを感じた気がした。

肉団子「ぁ……げ……?な、何故……何処、か、らぁ……!?」
──「やらせない……!絶対……!貴方になんて……!」
かろうじて動いた視線の先。肉団子の倒れた場所に、先ほどまでは居なかった人影が、一つ。
後ろ姿に見覚えは無い。なぜならその人影は、ずっと自分の後ろに居たのだから。

肉団子「このっ……小娘がァァァ!!?}
えみ「っ……!はぁっ……!」
肉団子の周囲にあった壺の欠片や陶器の破片が空中に浮き上がり、彼女の体へと殺到す
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