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SAO二次創作者と、二次主人公ズの、やりたい放題桃太郎
第五章 強襲作戦 前編
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は足元の絨毯を蹴った。
元々時間は少ない。が、ならば最初からトップギアで短期決戦を挑むまで――!
まさきの脳内で、電気信号の奔流が無数のシナプスを駆け抜けた。脳細胞を一つ残らず呼び覚まし、男の挙動を筋肉から読み取りながら肉団子めがけて走り出す。

肉団子「ホオッ!ホオッ!粋がるのは結構ですがねェ」
およそ常人から見れば異常としか言いようのない速度で接近するまさきの突撃を前にしても、肉団子はそのぶよぶよの顔に浮かべた気味の悪い笑みを崩さない。
ほとんど体が霞んで見えるような早さでまさきは肉団子へと接近し、その刀をまさきは振り下ろす。その刃が肉団子の妙な服の上にふれ、そこから鮮血が拭き……出さなかった。

肉団子「こっちには付き合う義理は……ねェんですよォゥ!!」
奇妙な叫び声をあげた肉団子の体が、突然内側から破裂するように爆ぜ、その中から、真っ赤な気体がまき散らされたからだ。

まさき「……ッ!? ゲホッ! ゴホッ!!」
喉を這う痺れるような痛みに、堪らずまさきは咳き込んだ。左腕を口元に当てながら気体の中を抜け、肉団子を探す。
肉団子の身体から発されたガス(?)によって、部屋中にゆっくりと赤い霧が立ち込めて行く。しかしその中に肉団子の姿は見えない。
部屋中の壁から、反響するように声が響いた。

肉団子「「「「「ほっときゃ死ぬ奴とォ、誰がバカ正直にやり合いますかねェ?勝手に一人で盛り上がって、一人でくたばる事ですよゥ!」」」」」
まさき「チッ……」
まさきは一度部屋全体を見回すと、苛立ったように舌を打った。しきりに周囲を警戒するものの、男の姿はどこにも見えない。
すると。

まさき「……っ!!」
先ほどまでのポーカーフェイスとは打って変わって焦りの表情を顔に刻みながら、まさきは再び高速で駆け出した。広い部屋の床を、天井を、壁を、空中を無音で駆け抜けながら、右手の蒼風をめちゃくちゃに振り回す。

────

鳩麦「成程w」

────

肉団子「「「「「「ホオッ!ホッホオ!どうやらびびったようですねェ!ですがァそーんな滅茶苦茶に振り回した所でェ、当たるわきゃねーんですよゥ!」」」」」」
部屋全体から、なめつけるような声が響く。既にマサキの腕の関節近くまで石化は進み、もう間もなく膝の関節を石になろうとしていた。

まさき「くっ……!」
かなり落ちてきたランスピードと、感覚が薄れていく足元。確実に迫る“死”をひしひしと感じながらも、まさきは今出せる全速力で脚を動かし、脳が出せる最大出力で意識を部屋に集中させる。
視界に映る影は無し。
振り続けている刀も、何かに当たる気配すら感じられない。
今まさきが感じられるのは、徐々に重くなる手足の感覚と、部屋に充満した鼻を突く不快な臭い。そして――


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