プロローグその6:運命との出会い(後編)なんじゃね?
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撃を俺は歯を食いしばって耐えると、再びデバイスを突き出す。
そして再び回避され、更に一撃、二撃。
―バキン!ガキン!と連続的に伝わる衝撃が俺の身体を揺さぶった。
「……なんて堅さ」
三撃目を終えた所で、魔導師は頬に一筋の汗を流しながらそう呟いた。
向こうは向こうで動揺しているみたいだが、かと言って俺の方が不利な状況である事には変わらない。
こっちが一発かます間に向こうは三発以上ぶっこんできやがる……。
近接から遠距離に攻撃をシフトされれば完全に手詰まりだ。
俺は何とか離されないよう必死に喰い付いた。
距離を開かれそうになれば間合いを詰めデバイスを振るい、回避されてまた一撃を喰らう。
何度も何度も「ガキン!」「ベキン!」「ギャイン!」と言うシールドが殴られる音を聞き、その度に俺の体が揺さぶられる。
シールド発生の基部となっている左肩のアーマーを伝ってビリビリと感じる痛みは、まるで連続で肩パンを喰らった時のよう。
だが離れるもんか、頑丈さとしぶとさになら少しばかり自信があるんだ、それに……。
「負けるかよぉッ!!!」
俺は吼えた。
確かに相手は強い、俺たちの中で桁外れの魔法の才能を持つ高町さんを負かすくらいだから相当なもんだ。
スピードも魔法のテクニックも、戦い方も、恐らく経験も、俺なんかが足元にも及ばないくらい向こうの方が上なんだろう。
だが、だからなんだ?
そんなのは戦う前に相手にビビったヤツの言い訳だと俺は思う。
始めちまった以上そんなのを言い訳にして降参するつもりも無ければ、むざむざ相手の思うようにボコられるつもりも無い。
やるからにゃ全力でぶつかって、ボロボロになろうがどうなろうが、相手に一発叩ッ込むのが男ってもんじゃね?
「っ!!」
そんな俺に気おされたのかどうかは知らんが、魔導師は一瞬ビクっとなって鎌の動きを止めた。
良く見れば、向こうは汗びっしょりになりながら肩で息を切らしている。
あれだけ派手に鎌を振りまくっていたんだからそうともなろう。
だが、俺にとっちゃチャンスだ。
今まで好き勝手人の事をガッツンガッツン叩きまくってくれたな。
俺はアイアン・ウィルを構えると背面の魔力スラスタを吹かし、銀色の魔力光を煌かせながら一気に魔導師へと向かった。
これで何度目の突撃になるかはもう覚えていない。
だが俺は、この突撃が「間違いなく相手のバリアを粉微塵に打ち砕く」事を確信した。
こっちには最後の切り札が残っている!
「ちぇいすとぉう!!」
俺は武士や格闘家のような奇声にも似た掛け声を張り上げ、アイアン・ウィルを一気に突き出した。
高速で振動する銀色の杭は黒い魔
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