SAO編
序章 はじまりの街にて
Ex2.異質なその人
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が始まる日、あたしたちはそれぞれの部屋からSAOにログインした。
三人ともVRMMOというものが初めてだったから準備に手間取って、ログインしたのは午後二時過ぎ。開始から一時間も遅れてしまった。
別に開始時間ちょうどにログインしなきゃいけないってことはないんだけど、なーんか悔しいんだよね。
でも、そんなこともログインしたら全て吹き飛んでしまった。
あたしも、美緒も佳奈美も《完全(フル)ダイブ》っていうのは初めてだったから、SAOの世界を見たときはすっごく感動した。
物語の中に出てくるそのままのファンタジーな世界に、あたしたちは魅了された。
「うわ―――!」
「……すごい」
「こ、これ、マジで《仮想世界》なんスか? ちょっと信じられないくらい色々スゴイんスけど……」
このときのあたしは、もう興奮で周り――この場合は周囲の視線――が見えなくなっていて、最初に降り立った場所《はじまりの街》の中央広場から見える全てのものに興味を引かれて、それに突撃していった。
「ワ―――イ!!」
「もうっ、……奈緒!」
「あーダメダメ。ここじゃあ、あたしは《ルネリー》だよ? あ、ネリーのほうが呼び方としていいかな? ね、どう思う《レイア》」
「うっ……ち、ちょっと恥ずかしいよね。自分で付けた名前で呼ばれるのって……」
「2人はいいじゃないスか! わたしなんか《チマ》ッスよ? なんスか《チマ》って! チマチマ〜とか語尾に付ければいいんスか!?」
「かな……チマは名前を打ち間違えて気付かなかっただけでしょ? 自業自得なんじゃ……」
「う、うわ〜〜ん! そんなことは判ってるッスよ〜〜! でも言わなきゃやってらんねッス!!」
佳奈美――チマは、最初は《リマ》と付けたかったらしい。RとTが隣同士だったからやねんス!と言い訳を喚いている。
キーキー騒ぐ佳奈美――《チマ》。
それを見て笑うあたし――《ルネリー》。
騒ぐ佳奈美とはしゃぐあたしを宥めようとする美緒――《レイア》。
これから、三人でスゴイ大冒険が始まる。……と、あたしたちはそう思っていた。
『…以上で《ソードアート・オンライン》正式サービスのチュートリアルを終了する。プレイヤー諸君の――健闘を祈る』
その人、茅場晶彦という人が言ったことを、あたしは最初理解できなかった。
街中を三人で歩いていて、ようやくお互いをSAOでの名前で呼ぶのに慣れてきたそのとき、いきなり青い光に包まれたかと思ったら、さっきまでいた中央広場に移動していて……。
突然、空に現れた大きい不気味なローブの人影。上空から響く茅場晶彦って人の声。
あたしたちに、《
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