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SAO 〜冷厳なる槍使い〜
SAO編
序章  はじまりの街にて
3.己に出来る事
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いてある品物をタンッと触れることで出る、【Buy it ?】というウィンドウに【Yes/No】でYESを選択する方法。
 ウィンドウには、その品物の説明と値段が現れる。それを見て買う。

 二つ目は、カウンターをダブルクリックするように軽く叩くと、その店にある品物のリストが、ウィンドウとして目の前に現れる。
 それで買いたい商品を選んで買う方法。
 他の商品との値段や性能は比べやすいが、実物を見れないため、デザインや持った感触はわからない。

 三つ目は、店員のNPCに声をかける方法。簡単なAIで動いているらしいが、しっかりとプレイヤーの要望に応えてくれるらしい。
 どんなもの、どの程度の値段、それらを言えば、重要な単語を読み取ってその店の商品からピックアップしてくれる。
 そして、こちらが訊いた品物の説明も口頭でしてくれるという。

 俺は、まだこのSAOについて、マニュアルに書いてあったことしか解らない。
 しかも、そのマニュアルは、システム的なことだけしか書いていなく、ゲーム内のことについては殆ど何も記載されていなかった。
 なので、条件を言えばある程度NPC側で選別してくれるという口頭での方法を選んだ。

「どんなのをお探しだい?」

 NPC――ここが《ドマールの武器屋》ということを考えれば、この店主の名前が《ドマール》ということになるのだろうか――が、訊いてきた。
 俺は、今現在の自分のスペックと、希望の武器を言う。

「……レベル1でも持てる両手用の長槍を見せて欲しい」

 俺が祖父から習っていた槍術は、基本的に和槍を扱う。
 和槍は刃は短くシンプルのものが多く、しかも木造の柄の部分がよく撓(しな)るのだ。
 この《(しな)る》という部分が、俺にとって、俺の扱う東雲流槍術にとって重要となる。

「レベル1ねぇ。そうすると、ウチにゃあコレしかねぇが……」

 難しい顔をしてあごを捻りながらカウンターにどこからか出した二本の槍を置く店主。
 正直、俺にはこのNPCの仕草は人間以外には見えない。
 俺はカウンターの上に置かれた槍の一つに触れた。

 カテゴリ《ロングスピア/トゥーハンド》、固有名《シンプルスピア》、金額700コル

 金属の棒に小さい直刃が付いただけのなんの装飾も無い槍。
 一応、持った感覚も確かめておきたい。

「……店主、持って見ても?」
「おお、かまわねぇよ」

 俺は《シンプルスピア》を両手で構えた。

 ――少し、重いか。

 見れば筋力要求値はギリギリだ。改めて今の自分の非力さを知る。
 俺は《シンプルスピア》を置き、もう一つの槍へと手を伸ばす。

 カテゴリ《ロングスピア/トゥーハンド》、固有名《ウッドハンドルスピア》、金
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