助けを求める声がする
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し、こちらの数は三十かそこらに対して、相手は、数百。しかも、全員死神化されてる。
片っ端から倒していくものの、増援がいくらでも来るので、早く明のいる部屋へ向かおうとする。
(待っててくださいよ・・・・・明さん・・・)
心の中で宏助はその言葉が届くことを祈って呟き続ける。
安部清明。かつて日本一とまで呼ばれた政治とも密着だった霊能力者。
貴族、王族からも頼りにされ、一時代を築き上げた内の一人でもある。
知略にも長け、その明晰な頭脳で、時代の波を読み取り、生き残ってきた。
しかし、そんな彼にも二つの悩みごとがあった。
一つは、サポート役という地位に我慢ならなかったこと。
彼はこれほどまでの力を持ちながら自分よりも非力な人間に屈するのは耐えられなかったのだろう。
彼は、人々から崇められる一方で、気味悪がられてもいたのだ。
人々から崇められるだけでなく、支配していたかった。彼はそういう男だった。
二つ目は、死。
どんな人間もいつかは死ぬ。安部清明は、『死』をひたすらに恐れていた。
その『死』を克服する術、つまりは不老不死を求めて、研究を始めた。
当時、安部清明には神条家の初代である神条燐がサポートとしてついていた。
神条家はその時点ではまだ、霊能力者一家と呼ばれるほどではなく、燐が生まれたのは偶然だった。
燐は清明には遠く及ばなくとも、清明を除けば、日本一の霊能力者だった。
燐は清明の権力と不老不死に溺れていく姿を見て何度も止めようとするが、清明は止まらなかった。
そして、清明は不老不死の研究の過程で、人体の、『死神化』。つまり魂の出し入れ。
それによって寿命や、肉体を普通の人間のほぼ十倍以上の人体になることを発見する。
更には、魂の融合による無限エネルギーの生成、魂を保存する、魂を複数人体に入れる、魂に触れ、魂と話す。
その実験の為の魂は主に、成仏していない幽霊が使われることになった。
遂に見かねた燐が、清明を止めようとする。
しかし、彼はそんな燐に逆に、魂を出し入れした強化人間を大量に作り、魂で創り上げた無限エネルギーを使って、
この日本、ゆくゆくは外国までをも侵略し、支配する計画を打ち立てる。
燐はそのサポーターとして、清明は自分のものとした他人の魂を燐に入れ、操ろうとする。
しかし、燐もその溢れんばかりの霊能力を使って闘う。
そして、勝てないと分かっていた燐は、魂の核を燃焼する代わりに多大な力を手に入れるという術を使って、命をかけて
清明に致命傷を与える。
清明は、最早回復不可能とされるまでになったが、最後に清明自身が編み出していた
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