六章
本物の公方×神の御姿×現状
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ほう、三好というのはそいつらのようだ。ころの情報とは少し違うようだが、権力闘争でコロコロと変わるそうだ。
「で、松永というのは、恐らく松永弾正殿の事だと思うのですが」
「然り。主君・長慶よりも力を持つとまで言われておる、稀代の梟雄だ。三好三人衆をうまく操縦しながら、自らは前面に出ない・・・・やりにくい相手と言えよう」
詩乃は唸りだしたので、どうした?と聞いた。過去に道三より聞いた松永の情報だったが、その時に聞いていた松永は三好家の家宰程度だと。その昔、京で数度か会っていたそうだが、何でも京の梟雄はずるがしこいが通す所は筋を通す、中々の難物であったと。一家宰が、いつの間にか幕府を脅かす程の力を持っていたというのは、戦国の世の不思議だそうだ。
「梟雄という評判も、今の松永殿の立ち位置を考えれば、正しくもってその通りという事になるのでしょうね」
「うむ。久秀は、三好の下働きをしている内に、三好の娘共が次々と死んで出世して行ったという、稀代の幸運の持ち主だ」
「ふむ。その話を聞く限り胡散臭いな。死んだというより暗殺でもしたのではないのか」
「胡散臭くとも、暗殺したとあれば証拠もあるはず。が、証拠が無ければ稀代の出世頭となるのがこの世の常であろうよ。そしてその出世頭は今、三好党を影で動かす実力者であると共に、禁裏より弾正小弼を拝命し、幕府の相伴衆にも名を連ねておる」
「・・・・獅子身中の虫だな」
「はい。三好三人衆と弾正小弼殿に張り付かれては、いささかも気を許すことが出来ず・・・・」
「だからこそ、織田殿と分かりし折りも、それを露と出さず、織田三郎として扱わせて頂き申した。・・・・ご無礼の段、平にご容赦を」
さっきまでのらりくらりしてた様子ではあったが、今は素直に久遠に頭を下げた。久遠はおけぃというから大丈夫だろう。一葉はこれが幕府の内情としてはこんなところ所だと言ったけど。
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