六章
礼法×足利将軍
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そん よしてる と言う。先導の小姓らしき人物が名前を呼び上げると同時に、皆が一斉に頭を下げた。御簾のすぐ側に腰を下ろし、目を瞑っている小姓の顔、あれはあの時ゴロツキ共に追っかけられた人物だな。考えていると幽の声が部屋全体に響き渡った。
「下座に控えまするは、尾張国長田庄がご当主、長田上総介と申す者。幕府へと献上品として、銅銭三千貫、鎧一領、刀剣三振り、絹百疋。こちらに実物がございます」
「殊勝なり」
「公方様よりのお褒めの言葉でござる。恐れ入り奉り、今後も謹んでご忠勤めされぃ」
「忠勤?」
「これ。問答は差し許さず。平伏なされ」
「・・・・・・・・・・・阿呆らしい」
おいおいマジかよ!いくら影武者とはいえあの口はないだろう。
「(ああ!久遠様の悪癖がぁ)」
「(やっちゃったー!)」
「(・・・・やれやれ)」
と平伏している三人はそう思ったと後々に聞いた。
「お、長田殿!御前であるぞ!頭が高い!お控えなさい!」
「公方でも無い者に頭を下げられるか」
「・・・・っ!!」
「な、何を言うか!ここにおわすは正真正銘、足利将軍に他ならん!長田上総介、無礼千万であるぞ!」
「当代の公方は剣の達人という話を聞いていたが、御簾に入る時の足音などは、まるで手弱女のように弱々しかったぞ。そんな者が公方であるはずがあるまい。・・・・のぉ、そこの小姓よ」
「・・・・・・・・・・・・・・・・ふっ」
やはり、あいつが正真正銘の公方か。先程小さい声で言っていた。
『まぁでも毎日毎日、町を練り歩いて悪漢どもから銭を巻き上げているらしいですが』
とはこの事。つまり、ここに来る前に会った者が足利将軍って訳だろうさ。
「一度、そこの小姓と話がしたい」
と言って近づこうとした時に、何か来ると思い透明の聖剣と天閃の聖剣で、久遠の元に行き弾を弾き飛ばしてから元の場所に戻ったけどね。
「・・・・ふむ。お仲間がいるようだが、残念だったな。こちらには鉄砲の専門家がおる。さすがの専門家でも弾き飛ばすとは中々だろう?」
「今の弾き飛ばしたのは、誰だか知らないが。気付かなかったら、貴様の頭に穴が開いていただろうに」
「それぐらいは用心しているが、それよりも用心している人物がいるからこちらとしては安心していられる。・・・・で?」
「良いだろう。なかなか面白き奴だ。話をしてやろう」
「偉そうな言い様だな。・・・・小姓の分際で」
「白々しい事だ。貴様も同じであろうに」
「ふむ。・・・・お互い様という事か」
「・・・・藤孝、御簾をあげぃ!」
「は、し、しかし!」
「良い」
「・・・・御意」
「お姉様・・・・」
「双
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