暁 〜小説投稿サイト〜
戦国†恋姫〜黒衣の人間宿神〜
六章
待機×規定
[2/3]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
孝とやら。・・・・我の事を知ったとして、何をするつもりだ?」

「これはまた、塚原卜伝先生なみに一刀両断ですなぁ」

塚原卜伝・・・・戦国時代の剣豪・兵法家。字面は同じだが。兵を操る軍略家は「へいほうか」、武勇を追求する人は「ひょうほうか」という。

「柳相手に相撲を取る程、無駄な事はないからな。・・・・で、どうなのだ」

「・・・・今の所は特に何も。ただ公方様のお側衆を自称する私としては、向後の事を考え、各地方の有力者と懇意にしておく必要がございますれば」

「割に人を見ん。・・・・我は好かん。最初に言え。我を試すならば相応の覚悟を持っておくが良い」

久遠の威に打たれたようだったように、幽は真面目な顔をして頭を下げた。けど、すぐにいつもの顔をしてたけどな。

「でもねぇ・・・・あの場でご正体を見抜いたならば、おぜぜは置いていってくれました?」

「織田家としては正式に公方と話をしに来た訳でもない。・・・・見抜かれていたら踵を返しただろうな」

「でしょう〜。だからあの時方便と言う事で、一つ手を打って頂けますと助かるのですが。・・・・どうでございましょうかねぇ?」

手を揉みながら、久遠を見る姿は武士というより遺りての商人に見える。本当にこいつが公方の側近には見えないな。

「将軍様は、それほどお金にお困りなのですか・・・・」

「それはもう!・・・・まぁでも毎日毎日、町を練り歩いて悪漢共から銭を巻き上げているらしいですが・・・・」

「何をブツブツ言っておる」

俺には丸聞こえなんだが、そうか、やはり先程のが足利将軍なのか。俺の勘ではある。

「いえいえー!こちらの話でございますよ!さて公方様との謁見につきましては、仕来り通り、お側衆達と協議中でございますれば、今しばらくお待ち頂ければとー」

「それは構わんが・・・・仕来り仕来りと町雀のように五月蠅いものなのだな、幕府という奴は」

「はっはっはっ。仕来りが無ければ、人の行動を掣肘するのにも苦労するでしょう。作法とは人を制御するための便法であれば、幕府としては無視できませんからな」

「はっきり言いますね。・・・・ですが同意しましょう」

「ほえー、そういうもの何ですかねぇ・・・・」

「ある一定のルール、ここでは規定か。規定ってのが無ければ、皆が皆、無軌道に動いてしまう。皆が、一定の方向を見たり一定の行動を起こすためには、規定とか決まり事っていうのは必要な事だ」

「そう。それこそがまさに幕府という組織!・・・・という訳で窮屈でございましょうが、礼儀作法に則った振る舞いをお願い出来ましたら」

「デアルカ。・・・・」

「それにしても・・・・皆様は中々面白い組み合わせでございますなぁ。織田殿は分かるとして、その
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ