六章
待機×規定
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孝とやら。・・・・我の事を知ったとして、何をするつもりだ?」
「これはまた、塚原卜伝先生なみに一刀両断ですなぁ」
塚原卜伝・・・・戦国時代の剣豪・兵法家。字面は同じだが。兵を操る軍略家は「へいほうか」、武勇を追求する人は「ひょうほうか」という。
「柳相手に相撲を取る程、無駄な事はないからな。・・・・で、どうなのだ」
「・・・・今の所は特に何も。ただ公方様のお側衆を自称する私としては、向後の事を考え、各地方の有力者と懇意にしておく必要がございますれば」
「割に人を見ん。・・・・我は好かん。最初に言え。我を試すならば相応の覚悟を持っておくが良い」
久遠の威に打たれたようだったように、幽は真面目な顔をして頭を下げた。けど、すぐにいつもの顔をしてたけどな。
「でもねぇ・・・・あの場でご正体を見抜いたならば、おぜぜは置いていってくれました?」
「織田家としては正式に公方と話をしに来た訳でもない。・・・・見抜かれていたら踵を返しただろうな」
「でしょう〜。だからあの時方便と言う事で、一つ手を打って頂けますと助かるのですが。・・・・どうでございましょうかねぇ?」
手を揉みながら、久遠を見る姿は武士というより遺りての商人に見える。本当にこいつが公方の側近には見えないな。
「将軍様は、それほどお金にお困りなのですか・・・・」
「それはもう!・・・・まぁでも毎日毎日、町を練り歩いて悪漢共から銭を巻き上げているらしいですが・・・・」
「何をブツブツ言っておる」
俺には丸聞こえなんだが、そうか、やはり先程のが足利将軍なのか。俺の勘ではある。
「いえいえー!こちらの話でございますよ!さて公方様との謁見につきましては、仕来り通り、お側衆達と協議中でございますれば、今しばらくお待ち頂ければとー」
「それは構わんが・・・・仕来り仕来りと町雀のように五月蠅いものなのだな、幕府という奴は」
「はっはっはっ。仕来りが無ければ、人の行動を掣肘するのにも苦労するでしょう。作法とは人を制御するための便法であれば、幕府としては無視できませんからな」
「はっきり言いますね。・・・・ですが同意しましょう」
「ほえー、そういうもの何ですかねぇ・・・・」
「ある一定のルール、ここでは規定か。規定ってのが無ければ、皆が皆、無軌道に動いてしまう。皆が、一定の方向を見たり一定の行動を起こすためには、規定とか決まり事っていうのは必要な事だ」
「そう。それこそがまさに幕府という組織!・・・・という訳で窮屈でございましょうが、礼儀作法に則った振る舞いをお願い出来ましたら」
「デアルカ。・・・・」
「それにしても・・・・皆様は中々面白い組み合わせでございますなぁ。織田殿は分かるとして、その
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