五章
契約
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れんぞ」
「そうですね。南蛮人のあなたが、将軍や畏き所に拝謁を賜う事はまず不可能でしょう。強いツテがあるのならば話は別ですが・・・・」
畏き所・・・・日の本の中心に在す尊き存在の事。尊すぎて直接呼ぶ事を憚り、色んな呼び方をする。禁中、御門、天子などなど。
「そういったものは、残念ながら・・・・」
「ならば我と共に来れば良い」
「しかし、出会ったばかりの方々にご面倒を掛けるのも、気が引けてしまいます・・・・」
「ふむ。我は一向に構わんが・・・・」
「久遠。いきなり過ぎて信用できないぞ。現実としては正論かもしれんが、一つずつ話をして信用させた方がいいと思っている。エーリカと言ったな、俺達は堺で南蛮人と繋がりを持ちたいのだが、生憎知り合いがいない状況で、知り合いの商人がいれば、俺達に紹介してもらいたい。一応通訳として連れてきた者もいるが、エーリカにも通訳として頼みたい。無論宿代食事代とか、その他諸々は俺達が負担しよう。必要なら給料も出す。それが俺達がエーリカに求める対価として考えてもらいたい。その代りにエーリカがしたい事、足利将軍に拝謁を叶うために何とかしようと思う。こういう契約はどうかな?」
しばらく黙ったエーリカ。そりゃ、こういう事言ったら誰でも考えると思うけど、悪い話ではないからな。利害が一致すれば、同行も可能だろう。
「良いでしょう。その契約であれば私自身も納得がいきます」
「では誓約書を作るから、ちょっと待ってな」
と言って、空間からノーパソを出して誓約書を作成した。作成した後にノーパソを閉じて空間に入れたけど。作成して、印刷し終わったとケータイから連絡があったら空間からできた誓約書を確認したら、互いの名前を書いた。俺の持っているボールペン。俺は日本語だけど、エーリカはたぶんポルトガル語で書いた。
「よし、これで契約完了。これからよろしくな、エーリカ」
「ええ。よろしくお願い致します。まさかこの国で誓約書、もしくは契約の概念を知っておられる方と出会う事になるとは。あなたはこの日の本の方では無いのですか?」
「まあそういう事だ。それに誓約書あるいは契約と言う言葉がなくとも、この国には約束という言葉がある。その約束を絶対に守るという保証もあるから安心してほしい」
「はい。あなたを信じましょう」
「・・・・話は纏ったのか?」
「纏ったよ。早速で悪いが、エーリカの知り合いの南蛮人を紹介してほしい。いけるか?」
「もちろんです。では、私が乗ってきた船のフェルナン・デ・ソウサ船長をご紹介致しましょう」
思わぬ所で出会った西洋人少女。名はルイス・エーリカ・フロイス、日本式の名だと明智十兵衛だけど本当にこの子は明智光秀何だろうか?正史ならあり得ないが、外史な
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