五章
堺×教会
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ではあるがが、生憎俺も知り合いはいない。となれば、南蛮=外国人だから宣教師も来ているはず。そのツテで案内されるはずだ。
「南蛮人が来てるとなると宣教師も来ているはずだ」
「宣教師というと、天守教の宣教師ですか?」
「それそれ、その人に聞いて紹介してもらえば、後は沙紀の出番だ。久遠の言葉を通訳してもらえるからな」
「ふむ。確かに堺には天守教の宣教師が寺院を構えていると聞いた事ありますね」
「ならば、そこで南蛮商人を紹介してもらうか」
それでいこうと言って、ひよところを呼び戻して向かった。一応スマホには、この堺全体のマップで見ている。この情報はトレミーからだけど。俺の真上にいるという事は、この堺の町の真上にいるからな。俺を先頭に久遠達がついて行くが、俺はマップを見ながら進んでいるので、人に聞かなくて大丈夫か?と聞かれたが、代わりに沙紀が答えてくれた。一応この外史に来た後、大気圏突入前に衛星を飛ばしておいたから、今現在GPSとトレミーの情報の地図情報で進んでいる。
「どうやらここらしいぞ」
立派ではないからといって見窄らしくもない、特徴と言えば、門の上に小さな十字の装飾が飾られていた建物。まあ知らない人が見ても、ここは教会だとは思わないだろうな。
「何か俺がいた世界にあった教会よりも、普通な建物だな」
「そうなんですか。天守教はまだまだ信徒が少ないですからね。それに目立てば寺からの報復があるそうなので、このような質素な佇まいなのでしょう」
報復、ねえ。確か山から下りてきた僧兵が邪教と連呼しながら教会を叩き潰すんだっけ?この辺りの僧兵って石山だったか。
石山・・・・ここでは石山本願寺を指す。金・人・物と三拍子が揃い、大勢力を誇っていた寺社である。
坊主が圧力をかけて喧嘩を吹っ掛けたら、さすがの会合衆でも坊主には勝てないだろうな。
「銭は力を持ってますが、それ以上に力を持つのは、死への恐怖、という事でしょうか」
「皆、死ぬのは怖いですから。死んだ後だからこそ幸せになりたいんですよ」
「現実は辛いことも多いもんね・・・・」
まあ確かに、神仏が支えになるっていうし。友人、恋人、仕事が自分なりに支えになってくれなけらば、人は倒れる。
「それ以上に、縄張り争いという側面もあるでしょう。・・・・昨今の仏門というのは得てして生臭いものですから」
「それはそれで嘆かわしいですねぇ・・・・」
まあ俺も神なんだけどね。皆はそれぞれの気持ちを持ちながら、小さな教会に入った。小振りなステンドグラスから光が差し込み、大きいという程ではないが、十字架を背後にして照らしている。その十字架の下で、跪き、両手を組み合わせて祈りのポーズを取っている少女が居た。日光を浴びた髪はキラキラ
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