五章
美濃から堺へ
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ついて言おう。今回の任務は久遠の護衛だ。この四人だけで守るので慎重にいこうな。なお、黒鮫隊は俺が呼べば来てくれるので気にしないように」
「「はいっ!」」
「・・・・(コクッ)」
「大義。任す」
「よし、ではひよが先行、俺と詩乃が久遠の側、ころは後方という事にする」
「了解です!それで一真様。目的地はどこです?」
「目的地は堺だ。今浜に向かってそこから船で一気に京までだ」
今浜っていうのは現在でいうなら滋賀県長浜だ、当時は今浜と呼ばれていたそうだ。
「大津より堺まで、馬ならばおよそ一日。・・・・比較的早く到着できそうですね」
大津は琵琶湖西岸にある。湖港もあり、山城国に向かう交通網の一つとなっている。
「堺かぁ。一度行ってみたかったんですよねぇ〜♪」
「こらこら、遊びじゃないんだから。浮かれてるとヘマしちゃうわよ」
「あぅ・・・・そうだったぁ・・・・。ごめんなさい」
「構わん。ギラギラした目で我を守られても、それはそれで目立つからな。肩の力を抜いて、少し物騒かもしれない物見夢山とでも思っておけ」
「「はいっ!」」
北近江に入り、今浜の町で船を求め、琵琶湖を突っ切った。美濃を出発してから数日後、俺達は無事に堺の町に到着した。
「ほう、これはなかなかなモノだな」
「凄っ!広く深い堀に高い壁。噂には聞いていましたが、まるで砦のようですね〜」
「ふわ〜・・・・清州のお城より壁が高いー。それに清州のお城より堀が深い〜。・・・・凄いねぇ〜」
「さすがは天下に鳴り響く、難攻不落の町・堺。町をグルッと深堀で囲い、橋によって進入路を制限していますね。門もかなり分厚いようですし、その上、高い壁の向こうにはいくつもの櫓が建っている。それ相応の軍勢を持たなければ、落とす事など不可能でしょう。理想的な平城と言えますね」
「堺はこの戦乱の中、どの勢力にも属さず、自治を確立している希有な町ですからね〜。かなりの数の傭兵を雇っているようですし、まさにこの乱世にあって一大勢力と言えるでしょう」
「自治を維持するために、これだけの規模の軍備に銭を使う。・・・・会合衆の力がどれだけ強大なのか、実感できますね」
また分からんキーワードが出てきたな。スマホで見ると会合衆は堺を取り仕切る豪商・大富豪の総称であるか。つまりカードの位でいうならブラックカード辺りか。
「珍しく饒舌だな、詩乃」
「力とは、兵の数、兵を食わせるだけの米、そして銭をどれだけ用意できるかだと、私は常々考えております。その理想な姿が、目の前に広がっているのですから、饒舌にもなろうと言うモノです」
とか言っているが、俺達ブラック・シャーク隊も結構使っているんだけどな。だけど、弾は無限大にあ
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