四章 幕間劇
相撲×マッサージ
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俺は井之口を歩いてた。城へ向かう最中だったが、急ぎではないので散歩にと思ってな。そしたら聞きなれた声が聞こえてきたので、声の元へと行った。
「どうしたどうした!そんなへっぴり腰ではびくともせんぞ!」
そちらに向かうと大きい広場に出たら、子供達がやっていた。
「負けるもんかー!」
「みんな一斉に行くぞ!」
「せーの!」
「ええい!」
「はっ。力を合わせてもその程度か!」
やっていたのは相撲だった。まあこの時代まで来るとあるよな。
「壬月」
「おお、一真様か」
俺に気付いた壬月は、その態勢のままこちらに顔を向けた。壬月の様子をしばらく見てたが、壬月は仁王立ちしている。対して子供達は、壬月の手足に取りついていた。あらま、・・・・あれは子供達では勝てないな。壬月は涼しそうな顔をしていたが、子供達は顔を真っ赤にしていたけど、全員で力合わせて倒そうとしているのかな?たぶん無理だと思う。
「なるほどね、一対多数での相撲をやっているのか?」
「うむそうだ。普通なら一対一でやるところだが、このくらいは余裕だ」
「おい、よそ見してる内に一気に行くぞ!」
「無理だって。こんな力いっぱい押してるのに一歩も下がってくれないんだぞ?」
「いっその事、くすぐってみちゃおうか?」
「小細工は好かんな」
「え?違うよ!?今のは僕じゃないってば!」
と言って見たものの結局負けた子供たち達だった。さすが、鬼柴田と言われるだけあるな。今日は中々粘った方らしいが、まだまだだなと言ってた。
「お疲れさん壬月。今やった相撲は何かの息抜き?」
「まあな。日々、戦だ政だと気を張り詰めていては、気力が磨り減っていくばかりだからな」
なるほど。まあ、壬月は家老だから重大な事もあるんだろうと一人で納得していると、俺の袖を引っ張られる。何だ?と思い目を向けるとさっき投げ飛ばされた子供の一人が、俺の袖を掴んで顔を見上げてた。
「ねえお兄ちゃん。俺達の仇をとってよ」
「はい・・・・?」
「俺達いつも柴田様にやられてばかりだから、たまには柴田様に土をつけてやりたいんだ」
「ほう、面白いがやりますかな。一真様?」
えーと、俺どうすればいいのかなー。投げ飛ばされた子供達が一斉に、俺に懇願してくる。
「壬月は俺とやりたいの?この前の仕合は俺が勝ったけど・・・・」
「げ、まだ忘れていなかったのか。やってやろうではないか」
と言って俺は腰を低くして、軽く握った拳を地に近づける。そして、俺がはっけよーいと言ったら壬月がのこったと言った瞬間真正面からぶつかり合う。これが壬月の突進力か。中々いいがまだまだだな。
「ほう、これが一真様のか。だがまだまだだ」
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